平成30年10月3日(水)、秋休み最終日に1年次の希望者10名が千葉大学西千葉キャンパスで、木更津SEAコラボ(連携講座)の1つとして「医学講座」を行いました。この講座は放射線による体への影響や放射線による診断や治療について、講義と染色体異常試験を通して学びます。
前半、千葉大学大学院教授でもあり、小児科専門医でもある杉田克生先生には「放射線による診断と身体への影響について」、千葉大学大学院医学研究員特任講師の喜多和子先生には「細胞の増殖・生死・遺伝子損傷などを調べる実験法の紹介」と、それぞれ講義を受けました。放射線についての基礎知識から、人体への影響、放射線を用いた最新の実験方法まで、普段の学校の授業では受けられない専門的な講義を受けることができました。今回講座を受ける生徒のほとんどが、将来医療従事者になる夢をもっており、生徒たちは、医学的な観点でのお話に熱心に耳を傾けていました。
後半は、チャイニーズハムスターの細胞にX線を照射した際の染色体への影響を調べるためにX線処理した細胞と処理していない細胞の染色体を観察しました。今まで習ってきたプレパラートの作成方法とは異なる、病院の臨床現場でも使われる手法に悪戦苦闘しながらも、意欲的に実験を行っていました。作製したプレパラートの顕微鏡観察では、通常の染色体と放射線照射による異常な染色体の違いがはっきりとわかり、放射線が染色体にどのようなダメージを与えるのか、実際に自分の目で確かめることができました。初めて見る染色体は生徒にとっても非常に衝撃的だったようです。
また、また、染色中の待ち時間には、物理の専門家である加藤教授に来て頂き、クルックス管を使った放射線量の測定等の演示実験をして頂き、医学だけでなく、物理的な側面からも放射線について理解を深めることができました。
<生徒の感想>
・「放射線」というものに対して正しい知識がなかったからこそ、漠然とした恐怖感を抱いていたが、この講座を受け、使いようによって良いものにも悪いものにもなり得るということがわかった。日常生活でも偏見を持たずに広い視野を持ちたい。
・放射線が発生する原理がわかりました。被ばくした細胞と正常な細胞の比較ができたので、顕微鏡で観察した染色体の写真を友人に見せようと思いました。

