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123
2018/12/03

「瓜食めば」(12月教育長想いを語る)

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           瓜食めば子ども思ほゆ

                         川辺町教育長  長谷川哲

 

 先月終わり、川辺中学校で校長会・園長会が開催されました。授業参観の時間がありました。どの学級も、実りの秋が「授業」にも「学級」にも現れていました。子どもたちの学ぶ素地が確かになってきています。学ぶ意欲は強く感じられます。学級は、共に過ごす居心地の良さや支持的級風が満ちています。生徒間や生徒・教師間の関係も良好です。数学の授業も参観しました。平面図形「円」の学習場面です。円の定義は

 小学校では 一つの点から長さが同じになるようにかいたまるい形(動いた跡)

 中学校では 1点から等しい距離にある点の集合        (点の集合)

のように、厳密さを高めながら見方を深めていきます。

 さて、その授業では円周の一部を「弧」と呼び、円周上の2点を結んだ線分を「弦」と呼ぶ・・・という場面でした。円を板書し、弧と弦を色チョークで示し、名前を付けてルビをふる・・・視覚化して、一人ひとりへの配慮がなされており、教える場面では、きっちり教えることに安心感を得ました。教室後方からの参観でしたので、はっきり認められませんでしたが、どう書かれているかなあと思ったのは「弧」の板書文字でした。旁(つくり)が「瓜」になっているか?「爪」になっていないか?です。

 半世紀以上前、「瓜につめあり、爪につめなし」の教えが思い出されたのです。

「いいか、円周の一部を弧という。弧という漢字はこう書く。旁を爪と書いて間違えやすいぞ。瓜が正しい。爪と瓜は良く似ていて、こう覚えると良い。『瓜につめあり、爪につめなし』と。弧というのは離れた、一部、寂しいという意味がある。弧に似た漢字に「孤」がある。これにも同様の意味がある。孤独と言うだろう。孤とは・・・独とは・・・。みんな集まり円くなって、孤人を作らないようにしよう。」

と、数学の内容から国語へ、特別活動へと発展していきました。今で言えば、教科横断的?学習でしょうか?後年、「爪に火を灯す」「瓜ふたつ」ということわざに出会ったり、「瓜食めば子ども思ほゆ栗食めば」の山上憶良の長歌や、(爪食めば、になったら意味が全く違ってきます!)その返歌「銀も金も玉も何せむに 勝れる宝子にしかめやも」を聞いたりたすると、円の授業の、あの場面・あの言葉がふっと思い浮かびます。

 余談です。つい最近まで『瓜ふたつ』とは、形も大きさも重さも同じような瓜2つのことと思っていましたが、本来の意味は、一つの瓜を二つに切った両者のことのようです。どちらも見分けがつかないほど良く似ているわけですが。

 『親の意見と茄子の花は千に一つも仇はない』は『教師の教えと語り言葉は百に一つも無駄はない』となるでしょうか。「茄子の花」連想余談その2です。親に教えられた言葉に『巳(み)は上に、已(すで)に半ばと思えども、己(おのれ)は下と思え世の人』があります。「巳」「已」「己」の違いと覚え方です。これをある会で話題にし、又職場の朝の会にて話しました。反応は、どちらも50代以下の人は、「初めて聞いた」が圧倒的でした。

 さて、師走。慌ただしを募らせる一つが「ジングベル」、もう一つが「年賀状」。年賀状を送る知人友人に「巳」「已」「己」が名前に付く人が複数います。これだけは間違いなきよう書いています。他はあれこれ誤字があり、失礼なこと多です・・。

みなさん、日は短く、気は急く、寒さは募る12月。元気にお過ごしください。


14:05 | 投票する | 投票数(3)
2018/11/01

11月教育長想いを語る「ルート41ノーベル街道さあ行こう」

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      ルート41ノーベル街道さあ行こう(川辺かるたより)

                              川辺町教育長  長谷川哲

 

 今年のノーベル協想曲?(競争曲?共騒曲?)も12月の授賞式にてフィナーレを迎えます。日本人が23人と受賞した年もありました。今年も複数の受賞者が出るのではないかとの声も聞こえてきましたが、本蔗佑先生が受賞の栄誉に輝かれました。生理学・医学賞です。ノーベル賞には『物理学』『化学』『生理学・医学』『文学』『平和』の5つの賞があり、『経済学賞』が1968年に追加されましたが、賞に『ノーベル』の冠は付かないようです。

 ノーベル賞は、アルフレッド・ノーベルの「遺産は人類のために最大の貢献をした人々に分配される」との遺言により1901年(明治34年)から授与が始まりました。

 『物理学』『生理学・医学』  重要な発見をした人

 『化学』           重要な発見あるいは改良を成し遂げた人

 『文学』           理念を元に創作し最も傑出した作品を創作した人

 『平和』           世界平和の実現に貢献した人又は団体

 『経済学』          傑出した重要研究やそれを基に実践し達成した人

 マリ・キュリー(キュリー夫人)は女性で初の受賞者であり、夫婦の受賞者でもあり、『物理学』『化学』の2部門でも受賞しています。最年長受賞者は96歳、最年少受賞者は17歳、平和賞を受賞したマララ・ユスフザイさんです。

それにしてもと疑問が沸くのが、後に経済学が追加されたのならば、「なぜ数学賞はないの?なぜ音楽賞はないの?なぜ教育賞はないのか?」です。「人類のための最大たる貢献にそぐわないのか」、「具体をもって計れないのか」、「他に理由があるのか」と思いは巡ります。

 ノーベル賞に該当しなくとも、各分野でノーベル賞に値するものとして知られているものがあります。

 ハッセルブラッド国際写真賞 写真界のノーベル賞

 プリツカー賞        建築界のノーベル賞

 フィールズ賞        数学界のノーベル賞

 「教育界のノーベル賞」は聞きません。教育学における研究は、教育方法の発明や発見というより、工夫・改善・改良に留まるからでしょうか?研究の対象がこどもたち、伸びゆく・成長するこどもたちですから、「研究」の成果が見いだせない場合や負の結果が導かれた場合、元に戻れない恐れがあるからでしょうか?

2030年前は、各学校の研究発表会が華やかなりし頃でした。しかし、前述の一つに関連して、最近は「研究」から「実践」の冠をつけ変えた発表会が多くなってきました。研究から実践に名を変えても、留まるところは『手立て』の実践発表です。

「こどもたちの実態から見た課題を明らかにする」「明らかにした課題解決のために新たな手立てを基に仮説を立てる」「仮説を検証するために実践を積み重ねる」「実践の結果、仮説が正しく手立てが有効であったかまとめ、発表する」が大まかな流れです。

30代で川辺中学校でお世話になったとき、研究推進委員長の役をいただきました。道徳の研究でした。資料を通して学んだ人としての生き方や在り方から、資料を離れて自らのこれからに思いを馳せるのが弱い実態がありました。資料から抜け出せないことより、道徳の時間が、国語の読解に終わっている実態もありました。そこで考えたのが、一度資料から離れて「自らを見つめる時間」を意図的に設定したらどうかという仮説を立てました。そのための手立てが「沈黙の時間」でした。3分目をつむって自らを見つめる。見つめ終わったら、書くことを通して思いをまとめる、というものでした。今思えば「そんなことなの?」観もなきにしもあらずですが。

学校における「実践」(研究も同様に)は、小さな小さな工夫や改善かもしれません。しかし、小さな工夫や改善・手立の考案でも、全職員が共通理解して一丸となって取り組めば、子どもたちの学力の伸びに確かなものがあり、安心して過ごせる学級や学校の凝集度が高まり、たくましさが増してきます。
川辺町教育委員会では、毎年1校を「実践発表校」に指定し、その成果を発表してもらっています。今年度は川辺西小学校にお願いしました。発表の様子や成果は
11月の川辺西小学校HP等で紹介されます。お楽しみに。

 


08:07 | 投票する | 投票数(3)
2018/10/03

10月教育長想いを語る

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        「自ら」考え解決する授業づくりに本腰を

                         川辺町教育長  長谷川哲

 

 可茂教育事務所学校職員課による「学校管理訪問」が実施されました。

・教職員を標準法に従い、学校課題や実情に沿って配置したが元気に勤めているか

・学校はチームとなり一丸となって教育を推進し成果を挙げているか

・地震、水害、台風、不審者等への危機管理はなされているか

・いじめ防止の対策が図られ全校態勢で推進されているか

・学校への信頼を低下させ、児童生徒の心身を傷つける不祥事を防ぐ努力がされているか

・教職員の働き方改革は進められているか

・授業で使用する包丁やのこぎり、ノミ、薬品等は適切に管理されているか

・教室、トイレ、廊下、体育館は健康や安全に留意され整えられているか

・転入職員や初任者は学校に根を張り健康に留意して勤務しているか

・保健室の利用状況に課題はないか

などなど主に「管理」の視点からの訪問視察です。「指導」と「管理」は一体です。「管理」が整えられた上に「指導」が活き、子どもたちに笑顔の花が咲きます。『子どもたちは安心して学び、楽しく生き生きと学んでいるか』にも話が及びました。

 

どの学校においても、「管理」面で大きな問題や課題は指摘されませんでした。子どもたちは担任の先生や教科担任の先生と親和感で結ばれ、安心して語り集中して学んでいましたし、子どもたちどうしも支持的校風や級風の中で、楽しそうに学んでいました。

そんな子どもたちにこそ「授業の在り方」や「学習の仕方」に更に力を入れ、確かな学力や豊かな心を育てほしいとの願いを強くしました。どの学校も運営の方針と重点に授業改善を打ち出しています。授業主体は「子ども」であると宣言しています。

 

西小学校   自分の考えを豊かに表現しあう児童の育成をめざした授業づくり

東小学校   主体的に学ぶ授業の創造

北小学校   自ら進んで学ぶ子を育てる

川辺中学校  主体的に学び確かな学力をつける(問題解決型の授業づくり)

 

 主体的な授業の対局にあるのは「受動的授業」です。「教え込み授業」です。課題を教師が提示し、考える時間を教師が設定し、時間が来れば「ピピピ」のアラームで教える・・・機械音に急かされて時間を管理されての授業に、ずっと違和感をもっています。せめて「白鳥の湖」?か「カンタータ(バッハ)」?なら落ち着くのですが。いやいや、授業にタイマーは本当に必要なの?と思ってしまいます。

先生がしゃべり過ぎて、子どもは上の空の授業を時折見かけます。45分・50分の授業で、先生の声が8割響く授業が今でも見られます。子どもにとって解決への必然がない課題も見かけます。子どもが「興味を持ったこと」や「知りたい」「解決したい」と思うことと、教師が取り上げたいことがらにずれがある場合があります。子どもがつかんだことは、自分の言葉でまとめたいのに、先生がまとめてしまう場面があります。高学年や中学校では特に自分の言葉でまとめる、振り返ることが大切です。

若い頃に、動物の飼育や観察の授業で先輩から指摘を受けたことは今でも鮮明に残っています。『「うさぎの耳はなぜ長いの?」「うさぎの目はなぜ赤いの?」を考えさぜようとしても、多くの子どもたちは、耳や目よりも口に釘付けになっているものだ。「絶えず口を動かしているのはどうしてか?」「いつも口を動かしているのは何かを食べているのか?」「口の中にはどんな歯が付いているのか?」と口に目が向いている子どもが圧倒的に多いもの。子どもも大人も、静的なものより動的なものに興味・関心を持ち易いもの。それは何かを見出し、教材に据え、課題に位置づけていきたい。』といった話でした。

 実りの秋、学びの秋が深まる10月です。

 

 

 

 


12:31 | 投票する | 投票数(3)
2018/09/03

9月教育長想いを語る

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        「言うまいと思えど今日の暑さかな」 平成最後の夏は行く

                                    川辺町教育長  長谷川哲

 

『高温注意』『熱中症』『40°c』 の文字が新聞紙上にテレビ画面に乱舞した8月でした。平成の夏も過去のものとなっていきますが、昭和の終わりの夏、こんな詩に出会いました。

  

           ぼくの決意

       暑い あつい アツイ

       きょう何度口にしたことか

       先生の声を子守歌に聞いて

       こっくりこっくりしたこともあったけ

       下敷きに手を延ばしたこともあったけ

       家に帰って真っ先に飛びついたのは冷蔵庫

       ジュースをごくごく飲みながらつぶやいた

       「冷たい!」「おいしい!」「生きている!」

       つぶやきながら帰りの会の話を考えた

       過去へは戻れない 未来は分からない 間違いのないのは今なんだと

       明日も30°cを超えそうだ

       だらりの一日は 家に帰ってもすっきりしない

       よおし明日は一つ挑戦だ

       あいさつを元気よくやってやろう

       汗いっぱいかいて掃除しよう

       みんなが挙げなくてもどんどん発表してやろう

       一度も座り込まないようにしてやろう

       暑いと言わないで過ごしてやろう

       そう決意したら

       ゴクリと大きくのどが鳴った

 

 詩が書かれた昭和63年(1988)と平成30年(2018)の、近くにあるアメダス美濃加茂観測所の記録を見てましょう。

 昭和・平成 

 西暦 ・ 月

  最高気温

  最低気温   

  猛暑日(35°以上)

 昭和63

1988   7

   349°c

   152°c

    0

 

      8月      

   343°c

   181°c

   0日

 平成30

2018  7

   397°c

   218°c

    16

 

        8

   392°c

   194°c   

   17

 昭和の終わりと比べて、最高気温で5°c、最低気温で6°cほど高かったこの夏、いかに暑かったかが分かります。

この詩からいろいろ考えさせられます。昭和の終わりにエアコンが整備されていた学校は極めて希でした。あっても扇風機でした。最も暑い5時限目・6時限目も普通に授業はありました。生徒も先生も汗びっしょりで授業に向かっていました。誰もが夏休みを心待ちにしていましたし、休み明けの9月は残暑に耐えながらも忍び込む秋の気配に、ちょっぴりうれしくなったものです。「明日も30°cを超えそうだ」昭和の終わり、平均最高気温は32°c位でしたが、平成の夏は40°c超えが全国あちこちで記録されています。川辺町ではお陰様で4年前に全小・中学校にエアコンを設置していただきました。快適とまではいきませんが、28°c前後の教室で子どもたちは授業を受けています。残暑厳しい9月、校外学習や運動会の練習には十分の上にも十分な配慮をしながら、各学校においては、登下校における経口補水液や塩飴の用意・クールネック使用など対応していきます。大切な子どもたちを、みんなで見守っていきたいと思っています。

 

 

 


13:56 | 投票する | 投票数(7)
2018/08/02

8月教育長想いを語る

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                   「深い学びを支える根は?」

                                     川辺町教育長  長谷川哲

 暑中お見舞い申し上げます。

 2年後に迫った東京オリンピック。開催日と種目が発表され、「今以上の高温が予想される夏、大丈夫か?」との声も耳にします。

 その東京オリンピック開催の年、2020年から新学習指導要領のもと、新しい教育が小学校より順次施行されていきます。「教え込み授業からの脱却」「主体的・対話的で深い学び」を求める学習方法が取り沙汰され、雑誌や新聞等で扱われる度合いも平熱になってきました。協働学習も、主体的で対話的で深い学びも、生活科導入時の「活動あって学習無し」「放任あって指導無し」の轍を踏まず、各学校に置いて、「問題解決学習」「練り合い学習」「主体的学習」など、呼び名は変われど授業改善や授業創造に力を入れての実践踏み出しを、頼もしく思います。

 さて、自らも小学校の頃より学生時代まで、多くの恩師に出会い、教えを受けてきました。それぞれの時代、社会背景や未来予測に立っての学習指導要領のもと、指導方法を考え、教えて頂きましたが、授業場面の思い出は数少なく、圧倒的に多いのは恩師の人間性に触れたり、世の中の理不尽さを知らされたり、学問への興味関心をそそられたりしたときでした。それらのほとんどは教科の授業時間においてでした。

「トイレットペーパーの歴史」を熱く語った先生もありました。グーテンベルグの印刷機の発明から、紙の変遷や価値(如何に高価なものであったか)、紙の使用料は文明度に比例する論に発展し、どんどん広がっていきました。行き着いた先がトイレットペーパー論です。引きづりこまれました。

「日本史の裏話」を面白おかしくあれやこれやと語ってくれた先生もいました。教科書には載っていない、「本当に?」「半分眉唾では?」と思わせる話に興味は募るばかり。教科書は読めば分かる。解説や講義の授業はもう結構。裏話や脇話をもっと知りたい、もっと聞きたいと思ったものです。

 物理の時間。「例えば、衝突とはぶつかることとの言い換えでは学問が深まらない。衝突とは『2つ以上の物体が同一時間に同一場所を占めようとする現象』と言えば、誰にも明確だろう。これを定義という。」との説明に、プロの先生だ!と感心したものです。

 先生の情に思わずホロリとなったことも幾つかあります。一つ挙げるとしたら、「5付けておいたぞ」先生です。廊下ですれ違った先生に会釈をして通り過ぎようとしたら、手招きされて廊下の角へ。「今度の期末、どうした?ミスが3つあったぞ。でもなあ、たまにはミスもあるさ。5にしておいたでな。」とぽんと肩を叩かれ、すたすた去って行かれました。東北訛りの数学の先生でした。迷った進路選択で教職を目ざすことにし、何科にするか決め手になったのは、「5付けておいたぞ」先生の情と顔と教科でした。

 教職に就いてから自らも、いくつか脱線話をしました。「恋愛論」では、人はいつ結婚しようと思うか?を語りました。「パンツのゴム紐を何度も何度も通している時」「風邪を引いて寝込み、水タオルを取り替えて額に乗せている時」「シャンプーと風呂洗剤を間違えて使った時?」など、体験談中心です。

 主体的で対話的で深い学びを追究する一方で、その先生しか醸し出せない、先生の味が香る話を時折混ぜ込み、子どもとの信頼関係を創ってほしいなあと願います。これが根になり、学びの花が咲き始めるのではないかと思ったりする、夏真っ盛り8月スタートです。
13:35 | 投票する | 投票数(8)
2018/07/02

7月教育長想いを語る

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                生きている地球の上で生かされている

                                      教育長 長谷川 哲

 

 6月に関東では梅雨が明けました。もう!梅雨明けです。驚きました。真夏日が4日・5日と続いています。集中豪雨はゲリラ豪雨と名を変え、全国各地で起きています。いつどこで降るか、襲うか予測不可能。まさに「ゲリラ」となってきました。気象の変化に法則性が適応できなくなってきたかと心配したりします。

 先月末、隣県の米原では竜巻が発生し甚大な被害が。飛騨では大雨洪水警報が継続される中、上呂での山崩れでJR高山線が普通に。土石流や濁流は下流域にも大きな影響を与えました。飛騨川から水を取り入れ浄化し上水として利用している、美濃加茂市・坂祝町・富加町・川辺町の1市3町では、「濁流より水が作られない」ことより断水の危機に見舞われました。渇水による断水や節水は耳にしますが、濁流による断水は聞いたことありません。美濃加茂市は一部の地域が断水との報道を受け、飲み水もさることながら、手洗い・トイレやプールなどの生活用水も供給されないとの予想に立ち、町内のこども園も小中学校も臨時休園・休業やむなしとの結論に至ったその直後、「東濃から上水を回してもらえる」こと、「断水は回避できそうである」との情報を得ました。園や学校の給食については、給水状況によって柔軟な対応ができるよう、様々な場合を想定してメニューを組み立て、備えてもらうことにしました。「週明けは通常通りの保育や教育」を決定し、7月第1週を迎えることができました。お陰様で町に大きな混乱はありませんでした。

 断水の報を受け美濃加茂の知人から電話が入りました。「給水を受けに行ったが長い列。並ぶのは大変。水を分けてもらえないか。」と。わが家は井戸水も使用しており、こちらで汲んで持っていくことにしました。困ったのは容器です。タッパーウエアやペットボトルをかき集め、持って行きました。まだ、電気が止まらなかったので井戸水も使えましたが、電気が止まったら、水も出ないのです。この当たり前を再確認し、止まることの恐ろしさや不便さと、流れることの喜びや有り難さに思いを致しました。水も、電気も、鉄道も、道路も、空気も、仕事も、時間も、流れています。流れることへの感謝の念を深く刻んだ出来事でした。流れることは、当たり前のようで、実は当たり前ではないのですね。

 豪雨、竜巻、積雪、地震、台風、噴火、津波・・・自然現象は地球の営みです。生きている地球の証です。体温です。呼吸です。あくびです。声です。生きている地球の上で、生かされている私たちです。生きている地球に抗うことなく、如何に寄り添って生きていくか、生かされている私たちへの災いを如何に少なくしていくか、それが防災や減災の原点であるとの論を聞いたことがあります。

自然現象や防災と聞いて思い浮かぶのは寺田寅彦です。「天災は忘れた頃にやってくる」は極めて有名ですが、著書『天災と国防』のなかで次のように言っています。 

 

   自然は過去の習慣に忠実である。

   きのうあった事は、またあすもありうるであろう。

   ものをこわがらな過ぎたりこわがり過ぎたりするのはやさしいが、

   正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われる。

 

 できる限り自然現象を予測しながら、正当にこわがって備えることに心致そうと思った断水危機対応でした。


15:27 | 投票する | 投票数(3)
2018/06/01

6月教育長想いを語る

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                                                  立志式とミンダナオ子ども図書館公演

                                                                   教育長 長谷川 哲

 

 昭和57年より始まった立志式。36年目の今年は528日に開催。川辺中学校2年生が「14才」「節目の式」に臨み、緊張感に包まれながら決意も力強く、これまでを振り返り、今を、これからをどう生きるか、漢字一文字に託して発表しました。最も多かったのが『挑』です。次は『進』。その次は『努』。

   会場後方に多くの保護者の皆さんが祝福に駆けつけていただきました。誕生の時、子育て真っ只中の頃、保育園・小学校の思い出や苦労等、思い浮かべた方も多かったのではないでしょうか。それらのほとんどを、14才の今を迎える彼ら彼女らは知りません。それぞれの家庭には、父や母しか知らない出来事があったことでしょう。

 翌29日、フィリピンミンダナオ島から学生舞踊団が来町。(舞踊団詳細は『5月想いを語る』にて。)町内3小学校で、教育委員会主催『川辺町小学校国際交流教室』を開催しました。内戦や紛争に巻き込まれて父や母を失った子や(目の前で殺された子もいます)、家庭の問題により居場所がなくなった貧しい暮らしの子どもたちが生活や学習を共にする『ミンダナオ子ども図書館』から、世界の支援を受けて成長し学ぶ学生さん11名を中心に、館長の松居友(まついとも)さん夫妻、マネージャーは川辺町出身で東京在住の小松純子さん。運転手さん。カメラマンとサポーターさんは川辺在住や縁のある方3人のお力を得て、総勢18名の公演団です。

 前日は漕艇場に宿泊。山と川の穏やかなロケーションの中を若者が漕ぐボートを目にして、彼らは何を思ったことでしょうか。いよいよ当日。3小学校を訪問しての公演交流会開始です。民俗衣装を身につけての舞踊公演(農作への祈り・結婚式・収穫の喜び)その一部には、バンブーダンス(2本の竹をリズムに合わせて平行に動かし開閉する。踊り手は足を挟まれないようステップを踏む)があり、子どもたちは興味津々で見ていました。「リズム良く足を動かしているけど竹に挟まれることはないだろうか?」「竹を操作する人と踊る人との呼吸はどうやってとっているのだろうか?」・・・。動物の動きを取り入れたテンポ良い歌と踊りには、小学生も参加。解けた心に一体感が生まれ笑顔が弾けました。最後は「ふるさと」の合唱です。

 外国の学生さんが、覚えた日本語で歌う「ふるさと」・・小学生と共に歌いながら、「彼らの中には戦争で父や母を、中には両方をなくした子もいる。ふるさとが戦場となり、破壊されて無くなった子もいる。どんな気持ちを込めて歌っているのだろう」・・・厳しい環境でも常に学びたい気持ちを持ち続け、友が居れば幸せだと答える学生たち・・『志を果たしていつの日にか帰らん』のフレーズに涙が頬を伝いました。

                                                                                     児童との交流時間が少なかったことは残念でしたが、次の公演に向かう時、名残惜しいのか教室から身を乗り出して手を振ってくれる子どもたち。移動バスを追って校庭の隅まで走り、手を振る子どもたちの姿に、一行は感激。車内は舞踊団から合唱団に変わり、歌声が満ちました。・・・

   次の学校まで楽器や衣装や道具を運ぶことはもちろん、宿泊・食事・洗濯・渉外を一手に引き受けるスタッフの皆さんは目が回るほどです。きらびやかな衣装で踊るステージを一手に支えるスタッフの動きは目に見えないものです。同行して改めて大変さを知りました。

 小学校公演後のフィナーレは『MCL(ミンダナオ子ども図書館)のみなさんと川辺町ふれあいの会~歌と踊りと食の夕べ~』の開催。学生さんとスタッフ総出でフィリピン料理を作り提供していただきました。町からは、食改善推進協議会の方・教育委員さん・社会教育委員さん・読み聞かせグループの方など60人近くの参加がありました。食材の調達に、調理室での迫る時間との戦いに、大量の料理にと、大変だったことでしょう。公演からふれあいの会まで終日同行し、忙しさと楽しさが同居した一日を振り返るとき、相田みつおさんの「根はみえないんだなあ」が思い浮かびました。そういえば、教育委員会事務局職員の仕事も、その多くは「根はみえないんだなあ」です。いやいや、仕事や職業のほとんどは「目に見えないんだなあ」・・あれこれ想いが繋がって五月は過ぎ去っていきました。
 そうそう、立式式で堂々と掲げた色紙に『根』と宣言していた子がありました。・・

 

 



14:39 | 投票する | 投票数(4)
2018/05/02

5月教育長想いを語る「フィリピン学生舞踊団川辺公演」

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                                      フィリピン学生舞踊団の川辺公演

                             教育長 長谷川 哲

 

フィリピンのミンダナオでは、内戦や紛争・家庭の問題等によって親をなくしたり、貧しい暮らしの子どもたちを受け入れ、生活や学習を支援する『ミンダナオ子ども図書館』を、日本人の松居友(まついとも)さんが設立されて16年になります。

『ミンダナオ子ども図書館』には図書館もありますが、生活用の建物も建てられて80人を超える子どもたちが、洗濯や掃除・花壇の手入れや野菜づくり・食事づくりなど共同生活をしています。原住民・ムスリム(イスラム教)・クリスチャン(キリスト教)等、宗教は様々ですが、楽しくおしゃべりしながらとても仲良く暮らしています。

 日本で、不登校や悩みを抱えた若者や家族が『ミンダナオ子ども図書館』を訪れると、戦争孤児や家庭崩壊の中でも、笑顔で生きる子どもたちに出会って涙し、未来への希望や夢をもち、生きる力を取り戻す子も多いそうです。中には、現地のハウスに住み込んで、ダバオの大学に留学予定の若者もいます。

『ミンダナオ子ども図書館』の子どもたちの中には、奨学金をもらって学んでいる子もいます。奨学金支援の輪は世界に広がっています。

そんな奨学生の若者たち(15歳~26歳)はフィリピンの伝統的な歌や踊りも学んで

います。この度、代表10人がスタッフと共に来日し、埼玉・広島・九州を中心に公演しています。4月に来日した奨学生の若者は、飛行機・モノレール・電車・エレベーター・エスカレーター・自動改札機など、移動に驚きと戸惑いを感じながらも、各地の公演で元気と笑顔を届けています。

川辺町でもご縁をいただいて、529日(火)に3小学校で公演することになりました。舞踊や歌を鑑賞しながら、学生と児童との英語を通した会話や給食を共に食すことを通して、国際理解や国際交流を深める一つになればと願っています。

公演日程は次のようです。

 

公演日程 529日(火)

         9:35~10:20 川辺北小公演・全体交流 

        11:30~12:15 川辺西小公演・全体交流 

        12:15~13:00 川辺西小各学級に入って給食・交流 

        14:00~15:00 川辺東小公演・全体交流 

 


13:03 | 投票する | 投票数(7)
2018/04/12

家庭の日カレンダー

Tweet ThisSend to Facebook | by 川辺町教育委員会
 川辺町青少年育成町民会議(家庭部会)では、平成30年家庭の日カレンダーを作成しました。町内小中学校及びこども園から176点の家庭の日ポスターが集まり、その中から16点の特選作品と20点の入選作品が選ばれました。
 家庭の日カレンダーは特選作品16点により作成され、各戸に配布されています。

川辺町青少年育成町民会議 家庭部会
(事務局:川辺町教育委員会内)
09:25 | 投票する | 投票数(1) | その他
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