12/31

【相野山小】  新しい一年に向けて。

 

こんにちは、いよいよ年越しですね、村瀬です。

ただいま、雪が舞っています。

おとなしく過ごしなさいよ、

と、お天道(てんとう)様がおっしゃっているかのようです。

 

学校も世間様と同じように、

28日が仕事納めでした。

「なんかやり忘れてること、ある気がするなあ」

と考えながら片付けをしていましたが、

結局頭に浮かばず「よいお年を~」と言い残し、

学校を後にしました。

しばらくもやもやしたまま過ごしておりましたが、

昨晩、お風呂で思い出しました。

「は! ぶつぶつしてない!」

ということで、

本日は自宅にてつぶやいております。

 

さて、みなさま、

今年はどんな一年だったでしょうか。

世界は、とにもかくにも、

「コロナ」を抜きには何も語れない状況でしたね。

「当たり前」だったものが、これほどまでに次々と崩れていく体験は、

初めてに感じる人が多いのではないでしょうか。

それこそ、日本に暮らす私たちにとっては、

「コロナ前」「コロナ後」は、

「戦前」「戦後」に次ぐ、劇的な変化になるのかもしれません。

 

ところで、

村瀬にとっても「劇的な変化」があった一年でした。

担任を外れた(外された?!)ということが、

やはり一番大きな変化だったでしょう。

同じ学校にいても、

こうまで役割が変わるものかと、

日々苦悩し、がくがくぶるぶる震え続け、

各方面にご迷惑をお掛けし、にもかかわらず助けてもらいまくり、

どうにか年を越せそうなところまできた、という状態です。

身体も劇的に変化してきているのか、

各所次々に悲鳴を上げました。

私生活でも、

悲哀(ひあい)に満ちた出来事に度々出会いました。

「おいおい、

前厄(まえやく)の今年がこれなら、

 本厄(ほんやく)の来年、

 どうなっちまうんだよ!」

と、恐れおののくこの頃です。

 

それでも、

ただただ震えて時間が過ぎるのを待つわけにはいきません。

やさしい人々に思い切りもたれつつ、

言うことを聞かない身体にムチを打ちながら、

まさおくん(草刈りましーん)と友達になったり、

「庭師」になってみたり、「レレレのおじさん」になってみたり、

村瀬なりに踏ん張りながら日々を過ごしたつもりです。

 

刈込ばさみ(大型のはさみ)の柄(え)が、

ぽきりと折れることもありました。

元栓を閉め忘れて、蛇口の修理をしてしまい、

ずぶ濡れになったこともありました。

二週間ほど汗水たらして励んで整備した竹林の場所が、

実は学校の敷地ではなく、お隣様の土地だったこともありました。

まさおくんが予想外の動きをして、

ジャージのおしりの部分が思い切り破れてしまい、

ばれないようにこそこそと職員室で過ごしたこともありました。

コンクリートの塊(かたまり)を何度も運ぶうちに、

肩が上がらなくなったこともありました(現在進行形)。

 

苦手な作業ばかりで、

成功よりも失敗が圧倒的に多い、涙に暮れる毎日でしたが、

そこから学ぶことが多々ありました。

村瀬にとって、

それも、良い意味で「劇的な変化」といえるのかもしれません。

 

そんなくだらないことを振り返っているうちに、

今年も残り、数時間になってしまいました。

トンネルの中を歩むような一年でしたが、

ワクチンが開発されるなど、

希望の光がかすかに見えてきました。

けれども、

まだまだトンネルの出口は遠くにありそうです。

早急には、

「劇的な変化」は望めないのかもしれません。

しかし、

今よりもずっと苦しかった時代を、

先人たちは耐え忍び、

未来のために種をまき、辛抱強く水をやり、

笑顔の花をいくつも咲かせてくれました。

そんなたくましい先人たちの支えの基に生きる私たちなのですから、

きっとこの大きな波も、乗り越えていくことができるはずです。

トンネルの先のおだやかな景色を思い描き、

あわてず、あせらず、手を取り合いながら、

新しい一年を歩んでいきたいものです。

 

最後になりましたが、

本年も大変お世話になりました。

心から感謝申し上げます。

ありがとうございました。

来年もまた、

相野山小学校をよろしくお願いします。

 

それでは、よいお年を。

 

12/23

【相野山小】  感謝、感謝。

 

こんにちは、ほっと一安心している男、村瀬です。

2学期もどうにか無事に終えることができました。

明日から冬休みです。

ウキウキしている子どもが多いように見えました。

第三波が襲来中ということもあり、

緊張感が漂う中ですが、

やはり休みは嬉しいようですね。

 

心配が続く中でも、

考えていた行事はほとんどできました。

保護者の皆様にはお願いばかりで、

大変心苦しく感じておりましたが、

その協力があったからこそ、

子どもたちが求めていたイベントを遂行できたことに違いありません。

心から、感謝申し上げます。

ありがとうございました。

 

子どもたちも、

様々な制限を受け入れ、

その中で全力を尽くし、笑顔を見せてくれました。

彼らにも、

感謝しています。

ありがとうございました。

 

世の中は、

戦々恐々(せんせんきょうきょう)、

疑心暗鬼(ぎしんあんき)、

そういった、負の雰囲気が色濃く漂っています。

それを薄めるには、

本校のように誰かを「思いやる」こころを、

大切にしていかなければならないように感じます。

どうぞ今後も、

学校の内外でその気持ちを守り続けていただきたいと願っています。

 

 

さて、それでは村瀬、

ただいまより、清掃活動に行って参ります。

ここのところ、ずっとやっておりますが、

なかなか終わらない...。

どんどんどんどん、

ヤバい場所が見つかりまして...。

「パンドラの箱」を開けるとはこのことか、

なんて、埃(ほこり)まみれになりながら感じている日々です。

でも、

「見て見ぬふり」はしないと先日誓いました(12/4ぶつぶつ参照)ので、

めげずに踏ん張っております。

えらいぞ村瀬、とほめてあげると、しっぽを振って喜びます。

 

掃除しながら、いろんなことを考えておりましたので、

それについては、冬休みのどこかで、

ぶつぶつしたいと思います。

 

けれど、

ひょっとして、ぶつぶつできないかもしれないので、

一応先に伝えておきます。

メリークリスマス。

それと、良いお年を。

ついでに、明けましておめでとうございます。

 

それでは、また。

 

12/18

【相野山小】  ゴミと共に去りぬ。

 

こんにちは、日射しがあたたかいですね、村瀬です。

今年の初雪は、少量でしたね。

子どもたちにとってはつまらなかったかもしれませんが、

先生たちは車で通勤できてほっとしておりました。

 

長らく続いていた、

外壁改修工事もついに完了しました。

懇談会の折にご覧になったかと思いますが、

鮮やかな緑色が良く映える、
きれいな校舎になったのではないかと考えます。

ちなみに緑色は、
夏休みに取り組んでもらった、
子どもたちの「校舎カラーデザイン」にて、
最も多く使われた色です。

暑い日も寒い日も雨の日も強風の日も、

少しでも早く、きれいにしようと尽力してくださっていた、

職人さんたちに心から感謝します。

また、

長い間覆(おお)いに囲まれて、

光や風が遮られ、時折大きな音にもおそわれながらも、

加えて、

限られた駐車スペースのために、

徒歩での来校を余儀なくされながらも、

文句も言わず(少なくとも表面上は)耐え続けてくださった、

保護者のみなさまにも子どもたちにも先生方にも、

深く深く、頭が地面に埋まるほど感謝しています。

ありがとうございました!

 

以前ぶつぶつ呟きましたように、

この工事のためにかなりの数の打ち合わせを行いました。

村瀬は基本的に、

口をマスクの下であんぐりと開けて、時を流しているだけでしたが、

現場監督さんも市役所の方も設計事務所の方も、

優しい方ばかりでしたので、回を重ねる毎に打ちとけることができました。

 

なかでも現場監督のHさんは、

相野山小学校に常駐されておりましたので、

村瀬は度々仮設事務所に押しかけては、お願いばかりしていました。

その都度、しっかりと要望に応えてくれました。

いやそれ以上に、

学校のことをよく考えて動いてくれました。

中庭の草を刈ってくれたり、

停電の原因を突き止めてくれたり、

トイレの止水栓を見つけてくれたり、

スズメバチの巣を(無防備で)取り除いてくれたり、

若かりし頃の武勇伝を聞かせてくれたり・・・。

大変大らかな方でしたので、

人見知りの村瀬もすっかり懐いてしまいました。

(いつ頃から、Hさんのことを『師匠』と呼ぶほどでした。)

 

「立つ鳥跡を濁さず」の言葉通り、

昨日も、師匠は熱心に片付けをされておりました。

村「師匠、いよいよお別れですね」

H「いやあ、ようやく終わったね」

村「素晴らしい完成具合です」

H「そうだといいねえ。しかし、なんだかさみしいねえ」

村「ほんとですねえ。もう駐車場の片隅に住めばいいんですよ」

そんな会話を、号泣しながらしておりました。

Hさんには失礼な話ですが、

仲の良かった友達が転校してしまう、そんな気分です。

 

しっかりとお礼を伝えて見送ろうと思っていたのですが、

気がつけば、ゴミを満載にしたコンテナがなくなっており、

Hさんは颯爽と姿を消しておりました。

「お師匠さまーーーーーーー!」

いくら叫んでも、

むなしく北風に言葉と涙が運ばれていくだけでした。

去り際もかっこよすぎる、師匠なのでした。

 

改めて、こんなところで、ですが、

感謝を申し上げたいと思います。

師匠、長きに渡り、不甲斐なさすぎる村瀬をサポートしていただき、

誠にありがとうございました!

 

それでは、また。

 

12/15

【相野山小】  ほくほくの笑顔。

 

こんにちは、寒さが身に染みますね、村瀬です。

週間天気予報では、雪マークまで見られ、

動揺しております。

自動車のタイヤもはきかえていないので、

久しぶりの「徒歩通勤」となるのでしょうか。

いやだなあ。

 

そんな冬を痛感するなか、

昨日は19人もの卒業生が、

学校に遊びにきてくれました。

多少縦に伸びた子はいましたが、

雰囲気は何も変わっていません。

特に笑い声は、

教室で響き渡っていたあの頃そのものです。

 

学校から、子どもの笑顔や笑い声が消えたら、

一体どんな世界なんだろうと想像してみますと、

ゾッとしてしまいます。

どれだけキビシイ先生であっても、

きっと同じ気持ちになることでしょう。

 

思えば村瀬が授業中、

隙があれば、いや隙がなくても脱線して、

どうでもいい話(子どもたちには『ありがたい話』と言わせていましたが)いたのも、

子どもたちの笑顔が見たくて、

という理由なのです。

 

ところで、

そんな笑顔を、先週の土曜日(12/12)に、

たくさん目にすることができました。

PTA主催の「やきいも大会」があったからです。

 

大会の開催自体、危ぶまれておりましたが、

どうにか無事に挙行することができました。

その陰には、

PTA役員の皆様の並々ならぬ苦労と努力があったことと思います。

そして何より、

私たち教職員と同じように、

「子どもたちの笑顔」が見たいという、

温かい想いがあったに違いありません。

 

村瀬は5年ほど前に相野山小学校にやって来ましたが、

前任校に勤めていたときから、

相野山小学校と地域の絆の深さは存じておりました。

PTA行事が盛りだくさんで、

子どもたちのために多くの大人が率先して活動してくれると、

耳にしておりました。

赴任して最初のPTA総会での職員紹介の場面で、
「たけのこ掘り、流しソーメン大会、やきいも大会に参加するためだけにこの学校にきました」

と、挨拶したことを覚えています。

そう言っておきながら、

たけのこ掘り、流しソーメン(うどん)大会は、

今まで何度か参加することができたのですが、

やきいも大会は毎年、家の用事と重なってしまい、

火を起こすまで手伝いをさせていただき、

その後、指をくわえ、よだれを垂らしながら帰宅する、
という悲しき行事となっていました。

 

しかし、今年度はとうとう、
焼きたてほくほくのいもを食べることができたのです。

そりゃあ、みんな笑顔になるわけです。

おいしいったらありゃしないです。

考えてみれば、

たき火のなかに投入されて完成した、

出来たてほやほやのやきいもを食べたのは、

村瀬史上初めてだった気がします。

 

残念ながら、今年度、子どもたちが笑顔になれるPTA行事は、

今回の焼き芋大会のみとなってしまいそうです。

けれど、久しぶりの、唯一の集いだったからこそ、

より大きな笑顔の花がいくつも咲いていたのかもしれません。

 

そんなたくさんの笑顔を見ながら、

子どもを想うこころが溢れる、相野山小学校に関わることができていることに、

改めてしあわせを感じていた、村瀬なのでした。

 

計画・準備・運営等に奔走されていたPTAのみなさま、

本当にありがとうございました。

 

それでは、また。

 

12/9

【相野山小】  少年少女の夢。

 

こんにちは、今週も身体がバキバキの男、村瀬です。

昨日、校外学習や時間割変更で、

授業に入る時間が一時間もありませんでした。

そこで、ここぞとばかりに、「見て見ぬふり」(12/4ぶつぶつ参照)をしてきた、

「体育館裏」の清掃活動に一日中勤(いそ)しんでおりました。

朝から陽が沈むまで動き回った結果、

身体の様々な場所から悲鳴が上がっております。

それでもまだ動けるので、

日々の「レレレのおじさん」活動が体力作りに効果があったのでは、

と考えております。

まだまだ、道半ばですが、めげずに踏ん張りたいと思います。

 

村瀬が体育館裏で落ち葉やコケや土と戯(たわむ)れている間に、

3年生が、今年初めての校外学習へ、

4年生が、「ドリームマップ」作りの活動をしておりました。

(詳しくは、校長ぶろぐをご覧くださいませ。)

今日はそのうちの、

後者についてぶつぶつしてみます。

 

みなさん、「夢」はおもちでしょうか?

いつごろから、「夢」を描いていたでしょうか?

村瀬の記憶をたどると、

どうも最初に「将来の夢」をもったのは、

幼稚園の頃だったようです。

と、いいますのも、「卒園アルバム」のなかに、

それを記すコーナーがありまして、

そこにつたない字で書かれていたことを、

数年前に発見したのです。

 

ミニ村瀬が最初に描いた夢。

それは、

「ぱんだ」

でした。

自分の事ながら、なかなかパンチの効いた夢だと思います。

 

いやいや、そんななことはさておき、

「自分には夢がない」

と嘆(なげ)く子どもに出会うことがあります。

つい先日も、

卒業文集を制作中の6年生からそんな言葉をもらいました。

 

夢をもたない(もてない)ことが、

いけないことであるとは、

村瀬はさらさら思いません。

ただ、

夢をもっていたほうが、

長い道のりを生きていく上では、

プラスに働くことが多いのだろうなとは思いません。

暗い夜道を照らす月明かり、

そんな風に感じます。

 

随分前の話ですが、

「将来の夢」がテーマとなった授業をしたときに、

クラスの半分以上の子が、夢をもっていないと分かったことがありました。

その内の多くが、そのことに対して「不安」や「あせり」を感じている様子でした。

 

そこで、村瀬は何人かの友人・知人の話をしました。

30歳まで夢もなくただ淡々と仕事をしていたが、

何気なく見ていたテレビをきっかけに、「焼き物」作りの職人になった友人の話。

仕方なく入った会社で、渋々毎日働いていたが、

ある企画を任された結果、うまくいったことがきっかけで、

自分で独立して飲食店を作った友人の話。

定年を迎えるまで趣味もなく過ごしていたが、

仕事を辞めたあと一冊の本に出会い、

俳句の道を進んで、自分も本を出版するまでに至った知人の話。

 

など、数人の方を例に挙げながら、

「いつ、何がきっかけになって夢をもつことになるのか分からないし、

そして、ただ単純に、自分の心が動くものに、まだ出会っていないだけだから、

心配しなくてよいのよ。」

なんて話をしたことを覚えています。

 

今回、4年生はみんな「ドリームマップ」を完成させられたみたいですが、

なかには、

「ほんとにこれが自分の夢かな」

なんて疑問を抱えながら作成していた子もいるかもしれません。

でもそれは、まったく問題ないのだと思います。

来年の今頃には、新しい夢を抱いている子もきっといるでしょう。

ころころと夢が変わることも、なんら悪いことではありません。

いつになるか分からないけれど、きっと、

自分の心が動かされるものや人や言葉に出会う。

そう信じてほしいと思います。

 

さて、

描いた夢をどれだけの子どもたちが叶えるのでしょうか。

「信じていれば、必ず叶う」

なんて、大きな事は村瀬には言えません。

ただ、

「信じていなければ、叶わない」

とは、言えます。

4年生のみなさんをはじめ、

子どもたち、保護者のみなさんが、

それぞれの夢を信じて自分の道を歩みながら、

やがてたどり着くことをこころから願っています。

そんなことを、

完成した「ドリームマップ」を見ながら想うのでした。

 

村瀬ももう一度、

「ぱんだ」になるために努力しようかな。

なんかゴロゴロ転がってるだけでよさそうだよなあ。

いや、でも、「笹」苦そうだしなあ・・・

 

それでは、また。

 

12/4

【相野山小】  見て見ぬふり。

 

こんにちは、気がつけば週末ですね、村瀬です。

バタバタバタバタバタバタバタバタしているうちに、

バリウムに苦しめられた日(11/27ぶつぶつ参照)から一週間経っておりました。

 

この一週間で、

寒さがぐっと身に染みるようになりましたね。

感染症対策で、

各教室、また、廊下も窓を開けている状態です。

校舎内の温度は、日射しのない分、

余計に低く感じます。

来週は懇談会でお越しになられると思いますので、

保護者の皆様方もぜひ、体感してみてください。

共に苦しみを分かち合おうではありませんか!

(温かい服装でお越しくださいね。)

 

さて、

村瀬は寒さに強くありません。

担任をしていたころ、

体育の授業中、観察していないといけない場面などは、

子どもたちの脱ぎ捨てた上着を拝借して、

何重にも羽織(はお)っていたぐらいです。

ですので、外での作業がついつい億劫(おっくう)になってしまいます。

しかし、

ほかっておくと、周囲の緑さんたちによって、

あっという間に汚されてしまいます。

ということで、

ぐっとこらえて、「レレレのおじさん」となっています。

 

ところで、

先日の放課中の出来事です。

人気のない北館の1階をふらふらとしておりました。

村瀬のかなり先のほうに、

一人の少年が歩いておりました。

少年の少し前方に、紙くずが落ちているのが見えます。

少年がそこを通りがかります。

村瀬は立ち止まり、そっと様子をうかがいます。

少年は、紙くずをまたいで過ぎていきました。

 

(やれやれ、まあ、そうだよなあ)

と、こころでため息をつきながら、

村瀬は拾いに向かい、歩き出します。

と、同時に、今度は少年が立ち止まりました。

そして、少しの間を空けた後、

巻き戻しボタンを押されたかのように、

前方を向いたまま、少年が戻ってくるではありませんか。

そして、紙くずを拾い、再び前へと進んでいきました。

 

「良いことであっても悪いことであっても、

何か行動をしたときに、

誰も見ていない、なんてことなんてありえないんだよ。

 いつだって、『自分』が見ているでしょ。

 『見て見ぬふりをする』自分も、

 いつだって、『自分』は見ているんだよね。

 そうすると、ずっともやもやしたものを抱えたまま、

 過ごさないといけなくなることがよくあるんだよね。

自分がかなしむ行動よりも、自分が喜ぶ行動をとったほうが、

 未来の自分は、うれしいんじゃないかな。

 もやもやして過ごすよりも、すっきりとして過ごした方が、

 未来の自分は、たのしいんじゃないかな。」

 

そんなようなことを、

子どもたちにしばしば話してきました。

「足下のごみをまたぐな」

と、学級でよく指導したものです。

 

少年に直接話した覚えはありませんが、

彼のとった行動は、

まさに「未来の自分」をうれしくさせるものなのだと思います。

 

面倒くさい、自分とは関係ない、

そう思うかもしれないけれど、

気づいたなら、未来の自分のために見過ごさない。

そんな行動が取れるようになることは、

簡単そうで、なかなか難しいものです。

少年の行動は、賞賛に値するものだと思っています。

 

何を隠そう、

村瀬も「見て見ぬふり」をしていたところがありました。

ここのところでいいますと、

「体育館裏」についてです。

鬱蒼(うっそう)と木々や名も知れぬ草花が茂り、

ツタが地面や体育館の壁面にしがみつき、

いつから寝そべっているのか分からない落ち葉がこびりついています。

さながら、「魔女の森」です。

「体育館裏」といえば、

こっそりと誰かに想いを告げたり、

こっそりと誰かと決闘をしたりする場所のはずですが、

そんなことをしようとする気が起きるはずがない状態です。

 

あんまり人も来ないし、目立たない場所だからなあ、

なんて言い訳を繰り返し唱えながら、

「見て見ぬふり」をしていた村瀬でした。

しかし、

少年の行動に、教えられました。

そして、今週より、清掃を開始してみました。

 

長い戦いになりそうですが、

未来の村瀬のために踏ん張ろうと思います。

一緒にきれいにしたい方、いつでもお越しくださいね。

〈この間、卒業生が(無理矢理)手伝わされておりました。あはは。〉

 

それでは、また。

 

11/27

【相野山小】  緊急事態に備えて。

 

こんにちは、おなかがグルグルなっている男、村瀬です。

私事で恐縮ですが、

本日、健康診断を受けて参りました。

我々教職は、年に一度はしっかりとチェックを受けております。

元気の塊(かたまり)のような子どもたちと日々過ごすためには、

やはり健康も大事になってきますね。

 

ある一定の年齢を過ぎますと、

「胃」の検診も受けねばならなくなります。

村瀬もその基準をしっかり超えておりますので、

ちゃんと診察してもらいました。

胃検診を受けたことがある方なら、

ご理解いただける方が多いと思いますが、

大変苦しく、村瀬は苦手です。

(今まで一人だけ、「おれは得意だ」という強者に出会ったことがあります。)

「発泡剤」を飲んで、

「げっぷ」を我慢して、

「バリウム」を飲んで、

「げっぷ」を我慢して、

「くるくる」回って、

「げっぷ」を我慢して、

最後に「下剤」を飲んで…。

今年もどうにか乗り越えましたが、

そんなわけで、お腹がグルグルなっているのです。

すでに何度か、駆け足でトイレにも行かせていただきました。

 

そんな状況であるにもかかわらず、

今日はこの後、校外で大切な会議が控えているのです。

会議の日も分かっていたはずなのに、

そんな日に検診の予定を入れる(春先に自分で決められたのです)なんて、

一体あの頃の村瀬は何を考えていたのでしょう!

げんこつをお見舞いしてやりたい気分です。

 

今更どうしようもないので、

できる限り会議中にもよおす「緊急事態」が起きることのないよう、

本日は昼食を抜いております。

最善を尽くして、会議に臨もうと尽力しております。

(ちなみに、検診のため、朝食も抜いておりますので、白目をむきかけております。)

 

「緊急事態」で思い出しましたが、

つい先ほど、本校で「シェイクアウト訓練」が行われました。

これは、地震が起きた際、自分の命を守るためにどのように行動すべきかを学ぶ、

とても大切な訓練です。

ですので、今年度は2学期より月に一度行っております。

 

今日は清掃時間に「緊急地震速報」(テスト用)を流して実施しました。

「震度5強、18秒後・・・・・10、9、8…」

放送が流れると子どもたちはすぐに静かになります。

そしてその後、頭を守ため、机の下に避難したり、

「ダンゴムシのポーズ」(子どもに聞いてみてください)をとったりします。

 

そこまでが今回の訓練です。

回を重ねる度、子どもたちが適切に、速やかに行動できるようになっています。

やはり、「基本」を学ぶことはすごく大事なのだと感じます。

 

言うまでもないことですが、

「地震」はいつ発生するのか、今のところ正確に予測できません。

自分がどんな場所にいようとも、

危険がせまったときに、適切な行動をとることができるよう、

「頭」だけではなく、「身体」で覚えさせたいと考えております。

訓練をする度に、授業が中断したり、放課がつぶれたりと、

子どもたちにも、先生方にも負担を強(し)いることになってしまいますが、

それでも「命」に代えられるものはありません。

ですので、今後もできるだけ多く、「訓練」を重ねたいと思っています。

 

本当の地震ですと、

学校では、揺れが治まった後、運動場に避難します(二次避難と呼んでいます)。

来月は、その段階まで訓練する予定です。

さらに、子どもたちにも、先生方(一部関係者は除く)にも、

予告なしで。うふふ。

おそらく、問題が続出するに違いありません。

しかし、

その問題をあぶり出すことが「訓練」の意義だといえるでしょう。

そのように、

あの手、この手を使って、

「緊急事態」に備えたいと考えています。

 

それでは、出張に行って参ります。

あ、その前に、トイレに・・・。

 

それでは、また。

 

11/24

【相野山小】  背中を見ながら。

 

こんにちは、空がきれいですね、村瀬です。

朝方から雲一つない空の下、

相変わらず、落ち葉さんたちと戯(たわむ)れておりました。

連休明けで、駐車場が落ち葉さんたちで埋まってしまっているんじゃないかと危惧しておりましたが、

「風のほうき」が同じ場所に集合させてくれており、助かりました(量はすごかったですが…)。

 

さて、連休初日の21日、

本校にたくさんの軽トラックが集合しました。

「モーターショー」を開催していたわけではなく、

PTA「おやじの会」主催の校内整備に、

「職人さん」たちが集っていたのです。

 

状勢が状勢ですので、

今年度はきっと、いつもより少人数でこじんまりとした作業になるんだろうな、

との予想を裏切り、

たくさんの「おやじ」、

それだけではなく、「おふくろ」、

さらには「こども」も来てくれました。

 

チェーンソーで次々に老木や竹をなぎ倒し、

粉砕器でそれらを粉々にし、

ユンボ(ショベルカー)で土を掘りまくっていました。

これだけ書くと、なんだかやばい作業をしていたと勘違いされそうなので、

詳細は校長ぶろぐをご覧ください。写真付きです。

 

6月にも同じように、大勢のボランティアが集まり、

草刈りや樹木の伐採をしていただきました。

その度に、感謝の想いが膨(ふく)れ上がっていきます。

そしてまた、「地域の力」がこの地区に未(いま)だ健在であることに、

深い感慨を覚えるのです。

 

「PTA」という組織に関して、

様々な意見が飛び交うご時世です。

今後どうあるべきか、

という高尚な問題に対して、

個人的な考えを表すことは控えます。

ただ、現状として、

相野山小学校が、

「PTA」の力に強く支えられているということは、

間違えのないことだと思います。

 

「PTA」だけではありません。

「家庭教育推進委員会」、

「五色園・北新町自治会」、

「北新グリーンクラブ」などなど、

相野山小学校を支える手は地域に数多くあり、

本当にありがたい限りです。

 

「ありがたい」の語源は「有り難い(そうあることがむずかしい)」だそうですが、

まさにこの言葉通り、

「学校」と「地域」が手を取り合っている状況は、

大変珍しくなっております。

かつては当たり前だったその光景が、

次々と姿を消しています。

理由は様々あるのでしょうが、

世の中が「いそがしく」なり過ぎていることも一因でしょうね。

 

そのような、いそがしい日常にもかかわらず、

学校のために貴重な休み時間(なかには仕事の合間に来てくださった方もお見えでした)を使って、

学校のために、子どもたちのために、活躍してくれました。

子どもたちも一緒に活動しておりましたが、参加したことで、

多くの大人が自分たちのために、汗を流してくれていることを目にしたと思います。

そのことも、大変意義深いことだと考えます。

「親の背を見て子は育つ」とありますが、

「大人の背を見て子は育つ」と言い換えても差し支(つか)えないでしょう。

子どもたちが、やがて大人になったときに、

再び我が子のために、地域のために、誰かのために活動している。

そんな素敵な循環が生まれることを期待してやみません。

 

PTAや地域の方の主催する行事は、

誰かの支えになろうとする「奉仕の種」を、

子どもたちのこころにまく、

とても大切な時間なんだろうな。

「おやじ」さんたちや「おふくろ」さんたちの、せわしなく動く背中を見ながら、

そんなことを考えていた、村瀬なのでした。

 

それでは、また。

 

11/18

【相野山小】  やまないおしゃべり。

 

こんにちは、お腹がもやもやしている男、村瀬です。

「味覚の秋」らしく、食べ過ぎたからでしょうか。

どうも胃腸の調子がよろしくない感じです。

何事もほどほどがよいですね。

 

「いちょう」といえば、

駐車場にそびえる「イチョウ」の葉も、

すっかりと黄色に色付きました。

カエデの葉も赤く染まり、

「視覚の秋」も楽しめる、相野山小のこの頃です。

 

足下で茂っていた草花さんたちも、

ようやくお疲れになってくれたようで、

「まさおくん」(草刈りマシーン)もそろそろ長い休暇に入りそうです。

ということで、

村瀬も紅葉を見ながら一休み、

と、いきたいところではありますが、

相野山小の自然をなめてはいけません。

今度は、頭上からの来客が止めどなく続きます。

「落ち葉」の来襲でございます。

 

毎朝、駐車場の一角で、落ち葉さんたちの大集会が行われています。

それを取り除き、土に返すのが最近の日課です。

以前から取り組んでおりましたが、

先週あたりから葉の数が増え続けております。

終わると汗がしたたっていることもしばしばです。

 

「れれれのおじさん」と化し、

竹ぼうきで落ち葉さんたちをさっさ、さっさと集めます。

「今日はまた、たくさんあるなあ。相当時間かかるな。やべえな」

「なんか、手首痛いな。ほうきの掃きすぎかな。やべえな」

「おー、太い枝ごと落ちてるじゃん。これ、車に当たってたら大変なことになる。やべえな」

「あれ、今日はどんな時間割だっけ? あ、書写あるじゃん。準備してない。やべえな」

「わ、そういえば、あれ、今日までの締め切りだったよな。やべえな」

「ぎゃ、そういえば、昨日あそこに電話するの忘れてたな。やべえな」

「昨日何食べたっけ? おなかぎゅるぎゅるいってるな。やべえな」

 

作業中、ふと、手を止めます。不意に気づきました。

「ずっと、しゃべってるじゃん。やべえな」

 

誤解をされぬように書きますが、

何も口から言葉を発しているわけではありません。

「こころ」の中(頭の中かもしれませんが)で、しゃべっているのです。

ずっとずっと、やむことなく、しゃべり続けているのです。

当たり前のことなのかもしれませんが、

改めて、驚きました。

 

村瀬は村瀬以外になれませんし、

人のこころの中をのぞく技能も有していないので、予想になりますが、

きっと、誰もが、なんだろうなと思います。

 

「こころ」では誰もが「おしゃべり」だとしても、

その内側の言葉をどれだけ表に出すかは、人それぞれです。

四六時中しゃべり続ける方もいれば、四六時中沈黙を守る方もいらっしゃいます。

もちろん、そこに善し悪しはありません。

 

相野山小の子どもたちも、バラエティに富んでいます。

「ねえねえ、先生、きのうさ、お父さんがさ、こんなことしてさ、

お母さんがむちゃくちゃ怒ったんだよ。ぎゃはは」

なんて、聞いてもいないのに明け透(す)けに報告してくれる子もいれば、

質問をしても、モジモジしてしまい、なかなか言葉が出ない子もいます。

しかし、そんな「はにかみ屋」の子であっても、

ご家庭や友達の前では、実に多弁である場合もよくあるわけです。

 

さて、来週から、相野山小学校では、

「教育相談」が始まります。

担任の先生と二人きりで話をする大切な時間です。

特に、自分から先生に話しかけるのが苦手な子にとっては、貴重な時間だと思います。

けれど、二人きりだと余計に話しづらくなる子もいます。

また、自分が抱える問題を表に出すのをためらう子もいます。

 

そこで保護者の皆様に、お願いがあるのです。

ご家庭の方でも、よく話を聞いてあげてください。

話すことを好まない子であれば、様子をよく見てあげてください。

そして、何か気に掛かることがあれば、遠慮なくご連絡いただければと思います。

 

私たち教職員は、できる限り、一人ひとりを理解し、

その子にとって安心でき、成長できる場所となるよう努めています。

しかし、どうしても、目が行き届かない場所もでてきてしまうのが実情です。

その影となる部分を、保護者の皆様にカバーしていただき、

双方から子どもを見守られるようにしていただきたく願います。

それが、健やかな成長につながるのだと信じてやみません。

 

そんなことも、落ち葉さんたちと戯(たわむ)れながら、

「おしゃべり」していた村瀬なのです。

あ、そういえば、

今日締め切りの書類、まだ書いてないや。やべえな。

 

それでは、また。

 

11/12

【相野山小】  やっぱり、いいよなあ。

 

こんにちは、どうやら「マスク焼け」しちゃった男、村瀬です。

早朝こそどんよりとしておりましたが、青空がきれいな一日でした。

まさに、「運動会」日和(びより)となったのでした。

 

ご多分に漏(も)れず、運動会もまた、

例年とは違う形で開催されました。

いろいろと制約がある中で、

担任の先生方は、考えに考えに考えに考えて、

子どもたちが少しでも楽しく、それぞれが活躍できるように、

計画・準備に当日まで奔走(ほんそう)しておられました。

 

そんながんばり続けている子どもたちや先生方に見習って、

村瀬も何かせねば、と、いつも以上に樹木を刈り込みまくってみました。

(新しい刈り込みばさみを買ってもらえたのです!〈9/30のぶつぶつ参照〉)

一部、スポーツ刈りのようにスースーしている植え込みも誕生しましたが、

気にしないことにします。

 

さて、本日は、

校長ぶろぐに写真がきっと載せられるでしょうが、

どの学年の子どもたちも、とてもいい表情で活動していました。

赤が勝っても白が勝っても関係なく、

そんな表情がたくさん見られたなら、それは大成功の運動会なのだと考えています。

 

いつもより競技数が少なく、また、表現活動がなかった分、

保護者の皆様には、少し物足りなさを感じさせてしまったのかもしれません。

しかし、

運動会ができたということ、

そして、

いつもより間近で子どもたちの様子を見たり、写真を撮れたりしたこと、

などに免じて、お許しいただければと思います。

 

子どもたちの活躍も当然ですが、

我々相野山小職員一同にとって、もう一つ嬉しかったことがあります。

それは、

保護者の皆様のマナーです。

 

ご承知のように、外壁工事による駐車場問題はまだ続いており、

停められるスペースが限られている状況です。

運動会案内のプリントにその旨を、一文記させていただきましたが、

通常ならば、前日にもメールを配信するところです。

しかし、今回はそれを行いませんでした。

決して忘れたわけじゃありませんよ。

以前行った、修学旅行&野外活動説明会の折に見られた、

多くの方が徒歩で来校される様子を思い出し〈9/17ぶつぶつ参照〉、

その「思いやり」にかけることにしたのです。

 

思った通りの結果でした。

本日も、大勢の方に徒歩で来校していただき、

車があふれて近隣住民の皆様に迷惑をかける、ということもなく、

平和に一日を終えることができました。

もちろん、仕事の都合、ご家族の都合等で、

自動車にて来ざるをえなかった方もいらっしゃったことは、重々承知しております。

そんな方々を救っていただいたのも、

徒歩や自転車で来られた大勢の方の「思いやり」です。

加えて、演技中も、観覧場所の指示等、しっかりと守っていただきました。

ご協力、本当にありがとうございました。

 

相野山小の保護者の皆様のマナーは、

市内で、いや近隣市町で、いや、愛知県で、いや、ジャパンで、いや、アジアで、

いや、ユーラシア大陸で、いや、北半球で、いや世界で、いや、銀河系で一番!

そのように教職員一同感じております。

今後も、その「思いやり」を大切にしていただきながら、

子どもたちを共に見守っていただけたらと願います。

どうぞよろしくお願いします。

 

子どもたちや保護者の皆様の笑顔を思い起こしながら、

「運動会って、やっぱり、いいよなあ」と、

誰もいなくなった運動場で一人にやにやしていた、

村瀬なのでした。

 

それでは、また。

 

11/10

相野山小】   うぇるかむ! 相野山小学校。

 

こんにちは、朝の冷え込みが身に染みますね、村瀬です。

長く付き合ってくれていたマリーゴールドさんたちとも、

いよいよお別れの運びとなってしまいました。

仲間をうしなうのは、人でなくとも、大変さみしいものですね。

逆を言えば、

仲間を迎えるということは、すごく喜ばしいものです。

 

先週の金曜日、

4月から新しく「仲間」となる予定の子どもたちが、

検診を受けに来てくれました。

この検診も、例の対応にせまられ、

例年とは違う形で行われましたが、

保護者の皆様の協力もあり、

スムーズに実施することができました。

ありがとうございました。

 

さて、

村瀬は事後処理の役割を担っておりました。

その折に、

何人かの子どもに、こんな質問をぶつけてみました。

「小学校は楽しみですか?」

 

首を縦にふる子、

首を横にふる子、

微動だにしない子、

十人十色の反応でした。

 

今から30年以上前を振り返れば、

村瀬もぴかぴかのランドセルを背負い、

初めて小学校に足を運んだことがあったわけです。

「ミニ村瀬」はどのタイプであったかと言えば、

間違いなく、

『首を横にふる子』でした。

ブンブンブンブン、360°回る勢いで横にふるタイプの人間でした。

 

「うそつけ」

という声が、四方八方から飛んできそうですが、

村瀬は新しい環境や集団が大の苦手で、

「人見知り」で、「内弁慶」で、「恥ずかしがり屋」なんです。

日々、無理をして「ピエロ」と化し、

学校生活を営んでおります。

これ、本当なんですよ。

そこの卒業生のきみ、すごく疑ってますね?きみのお母さんも、鼻で笑っていますね?

いやいや、信じてくださいよお。

 

まあ、ともかく、

ミニ村瀬は、今よりもっと露骨にそんな状態だったのです。

誰か知らない人が来ると、

あいさつされても何を聞かれてもろくに返事さえせず、

母上のスカートに顔を巻き付かせて時が過ぎるのを待つ、

そんな子どもでした。

 

ミニ村瀬は幼稚園も行きたがりませんでした。

「熱があれば休める」ということを学んだミニ村瀬は、

おでこを猛烈にこすって摩擦(まさつ)熱をおこしてみたり、

湯をわかしているやかんに体温計(デジタルではなく水銀タイプのやつです)を近づけてみたり、

今考えればしょーもなく、笑える方法でどうにか発熱したと思わせるよう努力していたのです。

さぞ、母上は困ったことでしょう。

(余談ですが、村瀬の娘・マーガレット〈通称〉も、保育園の頃、

 おでこを手でこすって発熱しようとがんばっておりました。

 血は争えませんね。)

 

そんなミニ村瀬ですから、

小学校が楽しみと、思うわけがないのです。

検診の日こそ記憶に残っておりませんが、

入学した日のことは、今でも鮮明に覚えています。

 

同じ幼稚園の子も少なく(休みがちだったので、友達はほぼおらず)、

完全アウェー状態です。

身体は硬直しており、90°の姿勢で椅子に腰掛けておりました。

頭の中は、ずっと「帰りたい」の言葉が巡っていました。

 

きっと幼稚園と同じように、苦痛な場所になるに違いない、

そんなことを考えて泣き出しそうになっていたときのことです。

不意に前に座っていた男の子Jくんが振り向き、ミニ村瀬に言いました。

「なあ、ゆび相撲しようぜ」

 

村瀬は今でも、Jくんと、Jくんが放ったその言葉が忘れられません。

そのたった一言の、

小さな小さな出来事が、

ミニ村瀬を劇的に変えたからです。

 

(ああ、学校って、そんなにがんばらなくてもいいんだ。)

言われるがまま、Jくんとゆび相撲をしながら、

ミニ村瀬はそう感じ、肩の力が一気に抜けたのです。

学校って、わるくないじゃん。

そう考えられるようになり、

彼のおかげで(せいで)、

「お前、学年で一番うるさいな」

と、担任に認められるほど、元気に学校生活を送れるようになりました。

そして、現在の仕事にもつながっているわけです。

 

Jくんは、2年生で違う学校に移りましたので(新設校ができたのです)、

わずか1年の付き合いでした。

それでも、大げさではなく、

村瀬にとって、生涯の「恩人」であることにかわりはありません。

 

たった一つの出来事が、

たった一つの言葉が、

人を変えていく。

そんな出来事や言葉とたくさん出会うことができる場所が、

学校なのだと思います。

 

こんな自分で大丈夫かな、

こんな子で大丈夫かしら、

と、心配している子どもも親御さんもいらっしゃるでしょう。

だけど、きっと、大丈夫。

ミニ村瀬にとってのJくんのように、

それぞれにとって、大切な出会いがあると信じて、

相野山小学校にきてほしい、また、過ごしてほしいと願います。

 

学校って、わるくないじゃん。

そんな風に感じさせる、

だれかにとってのJくんになれたら嬉しいなと、

日々思いながら働いている、

ずいぶんと大きくなった、村瀬なのでした。

 

長くなってすみません。

それでは、また。

 

11/4

【相野山小】 羽ばたけ、6年生!

 

こんにちは、寒くて猫背気味になっている男、村瀬です。

肌をなでる空気に冬の気配を感じますね。

気がつけばもう11月です。

はやいものですね。

 

長く続いた外壁工事も、

いよいよ終盤にさしかかってきました。

北館の足場は解体されて、

きれいになった校舎が姿を現しました。

できたてほやほやは、やはり素敵です。

内部とのギャップが、たまりせん。

機会があれば、ぜひご覧ください。

 

さて、本日は、

6年生による「塗装体験」が行われました。

いや、「卒業記念制作」といったほうがいいかもしれません。

 

教育委員会と、

山本工務店さん(外壁工事を担当してくださっている業者さんです)の粋(いき)な計らいで、

外壁の一部(東側渡り廊下の柱4本)を6年生がペンキで塗る、

という企画を考えていただきました。

それだけでもありがたい話だったのですが、

今年度、様々な場面で我慢を強いられている6年生に、

少しでもよい思い出となるようにしたいとの話が両者からもちあがり、

手形でもつけてはどうか、という話に昇格しました。

さらにせっかくだから、ただ手形を残すだけではなくて、

おしゃれに仕上げてはどうか、という話に昇格しました。

そしてそれが本日、実現したわけです。

 

おしゃれに仕上げるアイディアを生み出すことに長(た)けた方が、

相野山小にはたくさんいます。

おしゃれアイディアの持ち主の筆頭といえば、

当然ですが、村瀬、

ではなく、

6年学年主任のM先生です。

 

先月のある日です。

村「M様、折り入って相談がございます」

M「なによ。どうせしょうない話でしょうが。いそがしいからさっさと話して」

村「いえ、実はですね、卒業生のためにということで、

  これこれこういう話が持ち上がっておるのですが・・・」

M「だからなによ」

村「いや、ただ手形を残すだけでもいいのですが、

  よければM様にデザインを考えていただけないかと・・・」

M「なんで私なのよ」

村「M様のアイディアはいつも大変素敵だと、

  校区内、いや、日進市内、いや、愛知県内でもっぱら評判でして」

M「当たり前でしょうが」

村「この先何年も残るでしょうから、

  M様の素晴らしいデザインを残していただき、

  後生の相小っ子たちに、

  芸術とはこういうものだと知らしめていただきたく思いまして」

M「だったらしょうがない、やるわ」

村「誠でございますか? ありがたきしあわせでございます!」

M「くるしゅうない、下がって良し」

村「ははあ!」

 

というようなやりとりで、

とんでもなくいそがしい中にもかかわらず、

引き受けてくださったのでした。

 

M先生が考えてくださったデザインは、

鳥がモチーフになっており、

羽の部分を、6年生それぞれの手形で表現する、という、

村瀬には、何年かかってもひらめくことはないであろう、

すばらしいものでした。

 

6年生はM先生とT先生の指示に従いながら、

次々と、柱の上にカラフルな鳥を羽ばたかせていきました。

きっと校長ぶろぐに写真が掲載されるでしょう。

そして、市役所の広報部の方も来られていたので、

ひょっとしたら「広報にっしん」に載せられるかもしれません。

さらに、中日新聞社の方も取材に来られていたので、

そちらでも紹介されるかもしれません。

とにかく、どこかで一度、

その素敵なデザインをご覧いただければと思います。

もちろん、直接見に来ていただいても構いません。

 

M先生をはじめ、

6年生に良い思い出を残すため、

ご尽力いただきました皆様に、

心より感謝いたします。

ありがとうございました。

 

6年生のみなさん。

本日はお疲れ様でした。

みなさんが残した鳥は、

似ているようでみんな違いましたね。

その違いを、マイナスに受け止めず、

「自分らしさ」と、前向きに受け止めて、

それをどうか大切に、羽ばたいていってくださいね。

(卒業間際のコメントのようになってしまいましたが)

 

ところで、このデザイン、

やがて再び外壁工事が行われるまでは、

残されるはずです。

(工務店さんのご厚意で、

 記念プレートもつけてもらえるそうです!)

今回の工事は、開校以来初めて、

つまり、40年以上経過しております。

と、いうことは、次の外壁工事は、

同じ周期で行われるとすると、

卒業生は、

50歳を過ぎている!

さらに、村瀬、80歳オーバー!!

さらに、M先生・・・

これ以上続けると、

きっとぶたれるので、

今日はここまで。

 

それでは、また。

 

10/28

【相野山小】  高原の風に吹かれて。

 

こんにちは、鼻声の男、村瀬です。

自分では気づかなかったのですが、

多くの方に指摘を受けました。

寒暖差に老体がついていっていないのでしょうか。

 

さて、

今回はおしゃれなタイトルをつけてみました。

といいますのも、昨日まで、

5年生に交じって、「旭高原」へ野外活動に参加させていただいていたのです。

(詳しくは校長ぶろぐをご覧くださいね。)

 

晩秋の高原らしく、

朝の気温が、4℃。

昼は20℃近くまで上がっていたようなので、

こちらの寒暖差より激しいわけです。

そりゃあ、鼻ぐらいつまります。

 

何はともあれ、

5年生全員が全ての活動を完遂(かんすい)し、

元気に帰って来ることができました。

 

一心不乱に樹皮(じゅひ)をやすりがけした「木工キーホルダー」作り。

技術の授業でおなじみ、「ハンダごて」を使って仕上げた「ガラス細工」体験。

澄み切った空気の中、おいしくいただけた昼食。

熊よけの鈴を渡されて少しビビった、ウォークラリー。

よその学校の子どもが、

なぜか「マイムマイム」を一緒に踊っていたり、

よその学校の子どもが、

(火の神のセッティングのため)暗闇に潜んでいた校長先生を、

「幽霊」と本気であせったりと、

おもしろハプニングも加えて大いに盛り上がった、キャンプファイヤー。

「おれぜってー眠れねーよ。」「おれも無理無理。」

と、散々ギャーギャー言っていたのに、消灯したらあっさり無音になり、

すっかり夢の世界へ足を運んだ、就寝時間。

眠気が吹っ飛ぶほどの寒さのなかで「にっしんたいそう」を踊らされた、朝の集い。

合格発表のような緊張感がただよっていた、施設の方の清掃チェック。

斬新(ざんしん)な発表ばかりで爆笑につぐ爆笑だった、お楽しみ会。

「師匠」2人(施設の方)のおかげでものすごくおいしく仕上がった、五平餅作り。

 

というように、

活動を列記してみましたが、どれも楽しい時間となったようで、

いたるところで笑顔の花が咲いていました。

(マスクはずっとしていましたが。)

他にも、

「こんなに残菜がでない学校もめずらしい」

と、施設の方にほめていただいたり、

「こんなにきれいな夕日は今年初めてだ」

と、施設の方がおっしゃるほど、天候が恵まれ続けたりと、

思い出に華を添えるエピソードも生まれました。

(もちろん、村瀬はしっかりと夕日を見逃しましたよ。

キャンプファイヤーの準備を、ボランティアの大学生と一緒にしていたのです!

ほとんど、大学生がしてたんだけど・・・。えへへ。)

 

とにもかくにも、

修学旅行と同様に、

色々と制約がある中での野外活動でしたが、

そんなことを感じさせない1泊2日となったのでした。

めでたし、めでたし。

 

それでは、また。

 

10/23

【相野山小】  実習生さん。

 

こんにちは、強い雨が降っていましたね、村瀬です。

昨日の夕方、観察池の方から、

カエルの合唱が響いていました。

どうやら、「歓喜の歌」だったようです。

人にはやっかいなものでも、他の動植物には恵みであるものが多いことを、

再確認した次第(しだい)です。

 

ところで、お伝えするタイミングを逸(いっ)しておりましたが、

先週より、2名の「教育実習生」が本校に来ておりました。

今日がその最終日でした。

校長ぶろぐの方に写真付きで紹介されておりますので、

どうぞご覧ください。

 

2人とも、子どもたちと積極的に関わったり、

研究を熱心に重ねて授業に取り組んだりと、

わずかな時間であっても手を抜かず、

全力で「先生」として過ごしてくれました。

 

研究授業(多くの先生方が参観される授業)でも、

堂々と子どもたちの前に立つ姿が見られました。

子どもたちも、実習生さんを助けようと、

いつも以上に挙手したり発言したりしていました。

2人がどれだけ深く学級の子どもたちと関わってきたか、

よくわかる光景でした。

 

もちろん、緊張していることは伝わってきました。

その初々しい姿に、かつての自分を思い出しました。

村瀬が小学校で実習をしたのは、

今から20年ほど前・・・。

ぞっとしますね・・・。

 

それでも、教育実習のことは、

よく覚えています。

村瀬の場合は4週間でしたが、

日々、どきどきの連続でした。

 

村瀬のつたなすぎる授業にも、どうにか理解してあげようと努力する、

学級の子どもたちに何度も助けられました。

「先生、おれ、○○子ちゃん、好きなんだよね」

と、人生相談を受けることもありました。

(余談ですが、

その子が、我が子が通っていた保育園で働いていたのです!

しかも、村瀬のことを覚えているという奇跡! すごい記憶力ですね。)

ふざけすぎて、子どもたちと一緒に叱られたこともありました。

適当なことを伝えすぎて、叱られたこともありました。

研究授業では、使うプリントを職員室に忘れてきてしまい、

「やっべー!」と叫び、廊下を全力疾走して、叱られたこともありました。

相野山小にきている実習生さんたちの授業と真逆の、

散々な授業でした。てへっ。

 

あ!

書いていて、今、気づきました。

村瀬、全然成長してない!

 

いやいや、そんなことよりも、

実習生さん、お疲れ様でした。

机上では学べない、貴重な体験になったことと思います。

それぞれの学級の子どもたちの笑顔を心の支えにして、

もうひと踏ん張り、大学で学びを深めてくださいね。

そして、近い将来、

一緒に働けることを楽しみにしています。

 

それでは、また。

 

10/19

【相野山小】  土産(みやげ)話。

 

おはようございます、週の初めから失礼します、村瀬です。

布団から出るのにひと踏ん張り必要な季節になってきましたね。

駐車場に舞い散る落ち葉も少なくなってきました。

マリーゴールドもそろそろ眠たくなってきたかなあ、という感じです。

 

さて、

先週のことですが、無事、修学旅行を終えることができました。

『無事』の言葉通り、小さなトラブルさえ考えても浮かばないほど、

平和な旅行でありました。

土産話として、ここに記すネタになることはないかと、

ペンとメモ帳を持ってうろうろとしていたわけですが、残念(?)なことに、

何も起きません。

こうなったら自分で起こしてやろうかとも思いましたが、

6年の学年主任M先生に吊るし上げられる可能性大なので、

おとなしくしておりました。

 

まあ、とにかく、全員が「無事」に帰宅することができた、ということが、

今回の旅行の最大、かつ、最高のおみやげのように感じます。

校長先生のぶろぐにも書かれておりますように、

この旅行が充実したものになり、また、無事に帰着できた裏には、

保護者のみなさんをはじめ、多くの方の支えがあったことに間違いはありません。

 

旅行中には、

我々教員と同じように、出発から到着まで、常に子どもたちの安全を案じ、

私たちをサポートしてくださっていた方がいます。

添乗員のCさんです。

Cさんには昨年の修学旅行でもお世話になっており、とても頼りになることは存じておりました。

 

初日のことです。

予定よりずいぶん早めに宿に到着することができました。

まずはお風呂の時間です。

子どもたちはちゃんと決められた時間を守って行動し、

また、待っている時間も各部屋で穏やかに過ごしておりました。

一通り子どもたちの様子を見て、手持ち無沙汰になった先生たちが、

気が付けば、なぜかお風呂の前の廊下に集まっていました。

平和な旅行のなせる業(わざ)です。

 

そこで、明日の見学地が話題となりました。

二条城と清水寺が当初の目的地でしたが、

どうも時間に余裕がありそうだ、ということになり、

「もう一か所、行けるんじゃねえ?」

と、主任M先生の目が光りました。

昨年度、相方を務めていた村瀬は、知っています。

M先生がこの目をしたときは、もう誰も止められません。

元々の見学地の位置を考えると、「三十三間堂」なら可能じゃないか、

と我々のなかで勝手に結論付けました。

そのアイディアをもって、添乗員のCさんを呼びます。

 

M先生「あーのー」(M先生が頼みごとをするときの口癖です)

Cさん「はい、いかがなさいましたか?」

M先生「明日、もう一か所行きたいんですよねえ」

Cさん「と、言いますと?」

M先生「三十三間堂、行けると思うんですけど」

Cさん「……、わかりました。少し確認してきます」

M先生の眼光に気圧(けお)され、Cさんは慌てて電話を掛けにいきました。

 

しばらくして、Cさんが戻ってきました。

Cさん「あの、申し訳ありませんが、当初の予定を変えて、目的地を増やしますと、

    バス会社の行程も変更しなければなりませんし、…(すごく真っ当な理由)…。

    ですので、少し難しいかと…」

M先生「えーー! いやだーー! いきたいーー! いきたいーー!」

一度火が付くと、校長先生がいてもM先生は抑えつけられません。

駄々をこねているうちに、三十三間堂付近に一時停車させて子どもを降ろし、

バスは当初の予定通り清水寺の駐車場に停めるなら大丈夫かも、という案が出されました。

Cさん「お子様たちは見学後、清水寺まで歩くことになりますが、大丈夫ですか?」

M先生「どれくらいかかるの? 村瀬、調べろ」

村瀬 「え? はい! ええと…」

M先生「おっそい、早く!」

村瀬 「は、はい! ええと、およそ、30分であります!」

M先生「なら大丈夫です。その案でお願いします」

Cさん「は、はい! それと、そこまでの案内は大丈夫ですか?

    バスガイドはいませんので…」

M先生「村瀬がやります」

村瀬 「え?」

M先生「できるよな?」

村瀬 「は、はい! がんばります!」

M先生「迷ったら、分かってるよな?」

村瀬 「は、はい! 身命(しんめい)を賭(と)して案内します!」

M先生「あーよかった、よかった!」

M先生はもう決定した気分です。

これでもし、「無理でした」となったら、身に危険が及ぶことを察知したのでしょう。

Cさんはその後、各方面に電話をかけまくり、必死で調整してくれました。

 

こうして、風呂場前の座談会で生まれた新たな夢は、

Cさんのご尽力により、形になったのでした。

(その上、子どもたちの安全と、村瀬の命をも守るため、

三十三間堂から清水寺までの歩行ルートを、

休憩時間を削ってまで探索し続け、先導までしてくれました!)

 

今回の修学旅行は、

いろいろと心配なことも、思うに任せぬことも多くありましたが、

見学地が空いていたり(びっくりしました)、

お土産が増えたり(ごーとぅーとらべるきゃんぺーんより)と、

今年度でしか受けられぬ恩恵も多々ありました。

 

それを前向きに考え、

6年生にとって、良い思い出となってくれたなら、うれしく思います。
ご苦労を掛けたCさんもそう思ってくれているでしょうね。

そして、

Cさんのように、この旅行を支えてくれた方々への感謝も、
忘れないでほしいと願います。

 

それでは、また。

 

10/13

【相野山小】  いざ、京都・奈良!

 

こんにちは、本日2度目の登場、村瀬です。

秋晴れを見事に表したお日柄ですね。

今日は2年生が「まちたんけん」へ、

3年生が「稲刈り体験」へ出掛けていました。

この行事のために、

大変多くのボランティアの方々にご協力いただきました。

心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

(校長ブログにも載せられております。ご覧くださいませ。)

 

さて、

いよいよ明日から、6年生が修学旅行へと向かいます。

天気は引き続き良好の様子で、一安心です。

 

子どもたちの安全を考え、

例年とは形を変えた部分が多くあります。

相野山小学校の伝統だった、

公共機関を活用した京都市内班別行動も、

今回は見合わせました。

それに向けて調べ学習をしてきた子どもたちも、

下準備を重ねてきた担任の先生方も、

くちびるを噛みしめる思いに違いありません。

 

しかし、ご存じのように、

今年度は開催自体が危ぶまれておりました。

実際、中止とした学校もあります。

特に中学校においては、

当時の危機的状況と、2学期以降のスケジュールを踏まえ、

断腸の思いで中止を決断した学校が多くありました。

そう決定せざるをえなかった、該当校の先生方の苦しさや辛さを、

そして、

その決定を受け入れざるをえなかった、3年生のみなさんの悔しさや悲しさを考えると、

言葉では言い表せない痛みを感じます。

 

そのことを思えば、

たとえ形を変えたとしても、「修学旅行へ行くことができる」ということが、

どれほどありがたいことか。

6年生の学年主任M先生は、

そのことを上手に子どもたちへと伝えていらっしゃいました。

 

行けることへの「感謝」を胸に、

明日から奈良へ、そして京都へと、足を運んでまいります。

ちゃっかり、村瀬も、です。

出発する姿と同じように、子どもたちが元気に戻ってこられるよう、

サポートしていきたいと思います。

 

お読みいただいている皆様お一人お一人に、

お土産(みやげ)を買ってきたいのが本意です。

が、それは到底叶わぬ夢ですので、

またこの場所にて、「土産話」を披露することで、ごまかしたいと企(たくら)んでおります。

 

それでは、また。

 

10/13

【相野山小】  ヒアリングに参加して。

 

おはようございます、良い天気ですね、村瀬です。

週末はよく雨が降りましたね。

修学旅行の日に重ならず、ほっとしているところです。

 

さて、少し時を戻して、金曜日の話です。

タイトルの通り、「ヒアリング」というものに参加してきました。

「ヒアリング」。

なんだか、かっこいい響きですよね。

前々から聞いたことのある会議でしたが、

まさか自分がそれに参加する日がくるとは。

大人の階段を昇った気分です。

 

今回は、教育委員会の方が本校にお見えになり、

来年度の予算のことや、学校側の要望を確認する、

というような内容の会でした。

 

相変わらずちんぷんかんぷんで、

相変わらずとんちんかんな発言を繰り返す村瀬でしたが、

教育委員会の方々は、

(たぶん呆れながらも)あたたかく言葉を受け取ってくださいました。

 

ご存じのように、

相野山小の各種設備や教材は、「ご年配」の方が数多く活躍しています。

なかには、開校当初から踏ん張っている「歴戦の勇士たち」もいらっしゃいます。

彼らは、村瀬より先輩であります。

 

彼らを現役から引退させ、新入社員をいれたいと、

当然のことながら我々職員は思っているわけですが、

なかなか思うようにはいきません。

 

ご存じのように、学校で購入される物は、皆様が納める「税金」が使われます。

その税金を基にして、どこに何を使うか計画されるものが「予算」というものです。

「日進市全体」の予算のなかで、「学校全体」に充てられる予算があります。

「学校全体」の予算のなかで、「相野山小学校」に充てられる予算があります。

 

「あれほしい、新しいのがほしい、買って買ってー」

と、床に寝そべり、手足をばたつかせ、ワンワン泣いたら買ってもらえるとしたら、

村瀬はいくらでも、いつまでも、そうするでしょう。

しかし、それは無理な話です。

「税金」を使って補われる必要な物があるのは、本校だけではありません。

他の学校だって同じ話です。

いや、学校だけではありません。

医療機関、介護・養護施設、保育施設などなどなど、必要な物がある場所は、挙げればきりがありませんね。

市役所の方は、「予算」の中で、どこに何が必要か真剣に考え、

苦渋の決断を強いられていることでしょう。

 

少しでも相野山小学校の子どもたちのために良い物を、と、もちろん考えています。

他の学校は他の学校で、同じことを、もちろん考えています。

教育委員会は教育委員会で、それぞれの学校、それぞれの子どもたちのことを、もちろん考えてくれています。

このご時世です。来年度の予算は当然ですが、キビシイ状況でしょう。

それでも、学校のために、子どもたちのために、わずかであっても多く予算がつくように、教育委員会の皆様は奮闘してくださっているのです。

学校からの、加えて、予算を司(つかさど)る人々からのプレッシャーの板挟みに遭(あ)いながらも、日々ご尽力いただいている教育委員会の皆様に、今更ながら、その上、こんなページからですが、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。

 

「なんで新しいの買ってくれないんだよー。けちー。いつ買ってくれるんだよ-。けちー。」

なんて、担任をしていたころは、ブツブツ文句を言っていました。

しかし、この立場になり、教育委員会の皆様をはじめ、学校を支えてくださっている多くの方に間近で接していくなかで、そんな自分を反省するようにもなりました。

 

どれだけ駄々をこねても、
悪態をついても、
「ない袖は振れぬ」のです。

それならば、ある物を、大切に、使えるだけ使っていくしかありません。

考えてみれば、それは、いつだって子どもたちに言っている「大切こと」に他なりません。

 

保護者の皆様。

授業参観等で来校される度に、我が子の使っている学校の教材を見て、

そのレトロな感じにため息をつくかもしれません。

しかしそれを前向きに捉えれば、

歴代の卒業生や先生方が大切に使ってきた証と言えるのかもしれません。

 

物の「高齢化社会」のど真ん中にある相野山小学校で、

「歴戦の勇士たち」を治療しながら、そんなことを思うのでした。

 

それでは、また。

 

10/8

【相野山小】   なつかしい顔。

 

こんにちは、何ヶ月かぶりに長袖を羽織(はお)っている男、村瀬です。

ばたばたとしているうちに、10月になっておりました。

今日は秋らしい気候と言えば気候ですが、

冷え込みが急すぎて、身体が困っています。

体調を崩す子どもも増えておりますので、

どうぞ、健康に留意してくださいね。

 

ところで、

ここのところよく、卒業生が顔を見せに来てくれます。

集団でひょっこりと顔を見せ、どうでもいい話に花を咲かせる子どもたち。

「お月見どろぼう」の戦利品をわざわざ届けてくれる子たち。

なんと、放課後の消毒のお手伝いをしてくれる子までいます。

会うことができるのは、嬉しい限りです。

特に今年度は、担任ではない立場ですので、

その嬉しさは余計に大きいのかもしれません。

 

昨日は、前任校で卒業させた子ども2人が、

わざわざ学校に足を運んでくれました。

「子ども」と書きましたが、実際はすっかり「大人」です。

就職の内定をもらった報告をしたくて顔を見せに来たとのことでした。

 

卒業生たちの活躍を目にしたり耳にしたり、

いや、顔を見せに来てくれたりするだけで、

「担任冥利に尽きる」という感慨が湧いてきます。

きっとこれは、「教員あるある」なのだと思います。

昨日も思い切り感じることができました。

 

私たち教員は、任される学級が増える度に、

「我が子」が増える感覚を抱くものです。

それは、「その子」の担任を外れても、

学校を卒業しても、

変わらない想いなのだと思います。

 

ですので、卒業後もその身を案じ続けています。

心から、しあわせであってほしい、元気でいてほしい、

そう願い続けています。

たとえ、卒業してから一度も顔を会わせない子であったとしても、です。

(「便りがないのは元気の証」とは、なかなか素敵な言葉ですね。)

 

年を追うに連れ、

姿形は変化していきます。

特に、「女の子」は、「化(ば)ける子」が多いです(悪口じゃないですよ)。

数年前、招待されてうかがった成人式では、

卒業アルバムを持ち込み、実物と見比べながら、

「おまえはだれだ?」「○○子じゃない?」「いや、○○美でしょ?」

「先生たちひどい! ○○江よ!」

と、その頃の担任陣と、成人した卒業生たちと、大いに盛り上がりました。

 

当然ですが、私たちは誰もが歳をとっていきます。

それに連れて、記憶力もちゃんと低下していきます。

それに加えて、「我が子」が増えていきます。

それに重ねて、「我が子」は姿形を変えていきます。

その結果、街中で、

「先生、久しぶり! 私、誰だかわかる?」

と、声を掛けられても、名前が出てこないというハプニングがよく起こるのです。

 

ですので、村瀬は担任をしているとき、子どもたちにこのような指示していました。

「いいか、きみたち。

 いつかきみたちが卒業して、もう少し大きくなって、

例えばショッピングセンターで会ったとしよう。

 そのときは必ず、自分の名前を伝えてから近づいてきなさい。

 『○○小学校の○年○組でお世話になった、○○です。

  先生、ご無沙汰しておりました』

 という感じだ。分かったね。

 それとね、買い物カゴに入っているものを目で物色するのはやめなさい。

 それとね、もしもきみが飲食店で働いていて、先生が来店したとしたら、

 デザートの一品ぐらい、そっと提供しなさい。

 それとね、もしもきみがスポーツ選手になって、お立ち台に上がったとしたら、

 『村瀬先生のおかげで、今の自分がいます』というようなことを、言っておきなさい。

 それとね、もしもきみが・・・・」

 

話が随分とそれてしまいました。すみません。

 

とにかく、

卒業生の諸君。

みんなが元気で過ごしている、

いや、

ただ生きてくれている。

それだけで、先生たちは、嬉しいんです。

 

どうかあわてずに、自分のペースで、自分の道を歩んでいってくださいね。

 

そして、いつでも、なつかしい顔を見せにきてくださいな。

どの先生も、楽しみに待っておりますよ。

でもちゃんと、自分から名乗ってね。

 

それでは、また。

 

9/30

【相野山小】  朝の駐車場にて。

 

こんにちは、今日は1年生の素敵な授業を見た男、村瀬です。

暇つぶしに見に行ったわけではありませんよ。

『研究授業』と申すものに参加したのです。

これは、授業力向上のために、多くの先生方が参観するなかで授業を行い、

その内容や指導方法について協議する、というものです。

どの学級の先生方も取り組んでおります。

この話は、また後日どこかで取り上げたいと思います。

 

さて、

ゆっくりとではありますが、秋も深まりを見せ始めております。

唐突(とうとつ)ですが、

ここのところの朝の日課を紹介します。

 

まず、駐車場に寝そべる落ち葉を掃いて取り除きます。

ご存じのように、相野山の名物ともいえる桜の樹が、

駐車場のわきにそびえております。

その葉が変色するとともに、ハラハラと舞い散るこの頃です。

落ち葉は、次の世代へとつながる大切な養分となるわけですが、

コンクリートの上では、その意味をなしません。

「レレレのおじさん」(ご存じですか?)を手本としながら、

日々、掃いて掃いて掃きまくっております。

掃いたそばから、風に吹かれて舞い落ちてくるのはほぼ毎日ですが、

それもまた一興(いっきょう)と捉えるようにしております。

 

それが終わると、玄関脇にある、マリーゴールドさんへの水やりです。

相野山小学校で、現在唯一育てているお花さんたちです。

長雨にも負けず、酷暑にも負けず、花壇からプランターへの引っ越しにも負けず、

まだきれいな花を咲かせてくれています。

「本日もおきれいでござんすね。 お互い今日もふんばりましょう」

と会話している日常です(一方通行ですが)。

 

そして次に、「いんちき庭師」となります(9/24付けの記事参照)。

刈り込みばさみを手に、植木たちと対面です。

「おはようございます。本日カットを担当する村瀬です。かゆかったら言ってくださいね」

なんて声をかけ、ちょきちょきちょきちょき、大胆にカットしていきます。

 

こんな風に、「自然」に触れることができている最近です。

それはとても、

しあわせなことなんだろうなと思います。

あわただしい日常では、なかなか感じることのできない「季節の変化」を、

この身をもってとらえることができているからです。

 

猛スピードで地球が回っているように思える時代です。

その場をやり過ごすことに精いっぱいで、

どうにか明日につながっていく。

そう感じている方のほうが、多いような気がします。

誰もがみんな、時には足を止めて、

足元に揺れる草花や、頭上に輝く星々を眺めて、愛(め)でることができる。

そんな余裕があったなら、少しは穏やかな世界になるのかもしれません。

そんなことを、朝の駐車場で思ってみたりしています。

 

ところで、昨日の話です。

いつも通り、庭師の作業をしていたところ、

少し太い枝に刃があたりました。

何度、チョキチョキしてもなかなか切れません。

ぬぬぬぬぬ、負けてなるものか、と両腕に力をみなぎらせ、はさみを絞っていきます。

すると、

ポキっと、

折れました。

枝が、

ではなくて、

はさみが、

です。

はさみの柄(え)の部分(持ち手の部分)が、折れたのです。

 

「うそだろ? うそって言ってくれよ」

村瀬はかなり大きめの声で呟きました。

相棒をうしない、呆然とする村瀬の周りで、

緑たちは、風に揺られて笑っていたのでした。

ちゃん、ちゃん♪(庭師の仕事、これから、どうしよう・・・)

 

それでは、また。

 

9/24

【相野山小】  前髪の思い出。

  

こんにちは、ひどく蚊にさされている男、村瀬です。

台風は大きく逸(そ)れてくれましたね。

子どもたちの心中は分かりませんが、

接近しなかったことに、ほっと一息です。

 

少しずつ暑さが収まってきています。

秋の気配をそこかしこに感じます。

相野山名物『くり拾い』も来週から行う予定です。

(村瀬のお花や野菜作りの師匠、E先生がおっしゃるには、今年は豊作な様子です。)

 

外での活動もしやすくなってきました。

いよいよ、まさおくん(草刈りましーん)と戯(たわむ)れるシーズンです。

本当は運動場をがんがん刈り取っていきたいところではありますが、

現在1年生が生活科で虫を探しています。

生い茂る草むらはバッタさんたちの宝庫です。

ということで、その単元が終わるまで、もさもさのままにしておくことにしています。

運動場がだめでも、

相野山小学校は、草が刈りたい放題です。どこもかしこも、もさもさしています。

ですので、

先日は、「みどりの森」(くり拾い会場)をぶんぶんぶーん、

昨日は、ロータリーの石碑周りや、「鳩を放つ少年少女の像」など、

駐車場近辺をぶんぶんぶーーん、とまさおくんを振り回しておりました。

 

その途中、気づいたことがあります。

まさおくんのおかげで、下草は刈り取られ、さっぱりしたのですが、

植え込みの低木の樹々が、乱れまくっているではないですか!

まるでアフロヘアーが爆発した感じです。

 

これはいかん!

お客様を迎える正門がこんなにみっともなかったら、

校舎がきれいになっても、鼻で笑われるではないか!

 

そう危機感を覚えた村瀬は、まさおくんを家に帰し、

代わりに、刈り込みばさみ(大型のはさみ)を手にして、

本日は『庭師』となることを決意したのでした。

 

たぶん、理想形としては、丸っぽいもんだよなあ。

爆発する前の形を想像しながら、はさみを入れます。

ちょきちょきちょきちょき、飛び出た枝を切っていきます。

イメージと勢いは、一人前です。

しかし、先日(9/8付け)つぶやきましたように、

ぶっちぎりで不器用な村瀬です。

イメージ通りの形になるはずがございません。

球体にはなかなか近づかず、

「んー、もう!」

と地団太(じだんだ)を踏みまくるのでした。

 

それでもめげずにちょきちょきしていると、

不意に高校時代の出来事を思い出しました。

 

高校2年生のころの話です。

御多分にもれず、村瀬も思春期真っただ中でした。

「何をしても無駄なこともある」と悟(さと)るのは随分後の話で、

その頃は髪型なんぞを気にするいっちょ前の青春ボーイでした。

 

ある日、鏡を見ていると、どうも前髪が気になりました。

「この長さ、ダサいな」

ということで、はさみを手にして、鏡の自分と向き合います。

 

その頃も、イメージと勢いは一人前です。

まずは横向きではさみを入れます。

ちょきちょきちょきちょき。

鏡を見ると、どうも右上がりです。

こりゃあ、いかん。

ということで、今度は逆サイドからはさみを入れます。

するとどうでしょう。

今度は左上がりに仕上がりました。

いかんいかんいかん!

今度はまた逆から。

見事に、再び、右上がり。

そんなことを4度繰り返した結果、

前髪は、おでこの中央部で一直線に揃っているではありませんか!

村瀬は呆然とします。

この髪型、斬新すぎる。

明日、学校へ行ったら、どうなるか想像すると、

身の毛もよだつほどの仕上がりです。

一応はさみを縦にも入れて、一直線だけは阻止しましたが、焼け石に水状態でした。

事件は深夜に起きましたので、床屋での修正も不可能でした。

 

学校では、案の定の反応です。

誰と話すときも、相手の視線は、目の少し上方をとらえていることがよくわかります。

そして、遠慮のない友人たちに嘲笑(ちょうしょう)され、

『ウォーズマン』(きんにくまんのキャラクターです)とか、

『のぐちさん』(ちびまるこちゃんのキャラクターです)とか、

『ずれたヘルメット』(もはや道具です)とか、

不名誉なニックネームを付けられたのでした。

それ以来、

村瀬は二度と自分で髪を切るまいと決意し、

尊敬するリストに「美容師さん」を加えたのでした。

 

そんなしょーもない出来事を思い出し、マスクの下で苦笑いです。

そして、「庭師さん」もすごいなあと、尊敬リストに追加しました。

思い出のおかげで、少し慎重にはさみを入れたので、

あの前髪よりは、ましかな、と自分では考えます。

さて、みなさんにはどう感じるでしょうか。

学校にお越しの際は、

ロータリーや鳩の少年少女付近の植え込みを見てみてくださいませ。

(一部枯れているものもありますが、それは村瀬のせいじゃないよ!)

 

長くなってごめんなさい。

それでは、また。

 

9/17

【相野山小】  善意の空車。

 

こんにちは、昨晩洗濯物を外に干したら、朝洗濯前の状態に戻っていました、村瀬です。

雨音に気づかず、グースカピーと寝入っていたみたいです。

ここのところの天候は、本当に読めませんね。

93%あたるといわれるお天気サイトを信じていたのに!

 

さて、本日は、

「野外活動説明会」の日でした。

5年生の保護者のみなさまに足を運んでいただきました。

 

こういう集まりがあると、

最近、頭を悩ませます。

というのも、外壁工事のために、

駐車場に使用制限がかかってしまっているからです。

いつの間にか「駐車場係」を拝命していた村瀬は、

工事現場の監督さんからの要望をいただいた後、

駐車場の図面とにらめっこしながら、

うーうー、うなっている毎日です。

 

日によっては、

我々の車は飼育小屋の周りに停めることもあります。

しかし、授業や工事内容の都合で、

そちらに回せないこともあるのです。

 

本日はそんな日で、

我々の車も駐車場に停めねばならぬ状況でした。

おまけに、

事前に現場監督さんからいただいた要望では、

塗装作業の関係上、停めない方がよい場所として、

かなり多くのスペースを指定されていました。

 

出入りする業者さんの車や他学年の送迎の車など、

5年生以外の車を停める場所も確保しておかなければなりません。

そうなると、5年生の保護者のみなさまのために用意できる場所は、

10台ほどがやっと、という状況でした。

 

村瀬は悶絶します。

このスペースは停められぬものか? うーん、停めると給食の車が通れぬ・・・

では、こちらはどうだ? いや、ここは子どもたちが通るから危険だ・・・

ええい、真ん中の石碑をとっぱらうか!

ついでに鳩を手にした子どもたちの像も!

なんて妄想をするくらい、悩みました。

 

いろいろと悩み、話し合った結果、

「良心」を信じることにしました。

5年生の保護者のみなさまに事情を説明し、

極力徒歩で来校していただくよう、頼んだのです。

 

我々も分かっています。

働いていらっしゃる方が大勢いること。

その忙しい合間を縫って、来校していただいていることを。

多くのご家庭が、お車で来校されても仕方がない状況だということは、

重々理解しています。

それでも、現在の相野山小学校では、

全てを受け入れることが叶わぬ状態なのです。

駐車場係として、げーげーするほどどきどきしながら、今日を迎えました。

 

説明会の時間が迫ってくると、

村瀬と校長は「祈りの姿勢」をとりながら、

校門を映しているモニターを凝視していました。

そこに映し出されたのは、

歩いて校門をくぐる多くの人々!

93%あたるといわれるお天気サイトの予報と違い、

炎天下とも言えるような暑さのなかにもかかわらず、です。

「すごい!」「すごい!」「相野山すごい!」

と、二人で狂喜乱舞です。

我々の「良心を信じよう」作戦は、

見事大成功でした。

 

それに加えて、

工事現場のみなさまからも、

「いつも指示に従っていただいているから、こんな日くらいは」

ということで、

作業内容を考えて協力してくださり、

予定よりもかなり多く、駐車できる場所を確保し、

さらに、説明会に集中できるよう、できるだけ音を出さぬよう作業をしてくださいました。

 

結果として、

多くの駐車スペースが空いている状態となりました。

この「善意の空車」状況に、

村瀬は鳥肌が立つほど、感動したのです(これは、本当)。

 

子どもたちは、

大人たちの行動を、

間違いなく見ています。

そしてそれが、

彼らの行動の指針となっていくのです。

 

相手のことをよく考え、行動できる子が、

相野山小学校にたくさんいるのは、

きっとこういう「善意」を当たり前にできる方が多いからだと、確信しています。

机上では学べない「道徳」を、

保護者のみなさまから子どもたちは学ぶことができているのだと感じています。

 

連日の、その上長い投稿になってしまい申し訳ありませんが、

それほど、嬉しい出来事でした。

5年生の保護者のみなさま、本当にありがとうございました。

そして、全校の保護者のみなさま、

どうぞ子どもたちのこころを育むために、

今後ともご協力をよろしくお願いします。

 

それでは、また。

 

9/16

【相野山小】  暗がりの中で。

 

どうもこんにちは、朝夕すずしくなってきましたね、村瀬です。

ようやく秋の足音が聞こえる位置にきたのでしょうか。

校庭の緑の中で、

コオロギさんやキリギリスさんたちが、

気持ちよさそうに歌っています。

(子どもたちが来るまで、と、帰ってから、ですが)

 

週の初め、

村瀬もすずしい風に吹かれながら、

のほほんと校庭の見回りをしていました。

「今週はおだやかに過ごしたいものですなあ」

と、プランターで育てている長生きのマリーゴールドと話をしていると、

そこに急報が飛び込んできました。

「先生、停電です!」

 

ということで、

願いもむなしく、月曜日の朝からバタバタの日常がスタートです。

停電は全館というわけではなく、

本館1階の東側のみ。

1年生とあいあい1組さんのクラスが、真っ暗です。

 

「むむむ、この場所だけが停電ということは、

 あそこの配電盤だ!」

迷探偵村瀬の出動です。

カバーを開けて、ブレーカーを見ます。

「やはり、落ちているな。

 ははは、これで解決だ」

村瀬は得意げに、

OFFになったブレーカーをONに戻しました。

何も変化がありません。

それどころか、なんだか焦げ臭いにおいが漂います。

村瀬は慌てて再びOFFに切り替えます。

こうして迷探偵村瀬は白旗を揚げたのでした。

 

その後、電力会社さんを呼び、

原因を追究していただきました。

そして、市役所の方に涙ながらに訴え、

すぐに対応できる業者さんを探していただきました。

 

これで解決。

めでたし、めでたし。

と、いかないところが私の学校生活です。

どうも故障箇所がやっかいな場所らしく、

材料を揃えたり段取りを整えたりするまでに時間がかかるため、

早くとも2日後(水曜日)の夕方だろう、との言葉をもらいました。

 

ということは、

3日間も1年生とあいあいのみんなを、

暗闇の中(現在塗装工事のために覆いで囲まれているため、いつもよりさらに暗い!)で、授業をさせることになってしまう!

ちなみに、同じ配電盤から、

校内のインターホンも、

配膳室の冷蔵庫も、

電気をもらっています。

それらも使えないのです!

村瀬は顔面蒼白となりましたが、

こればっかりはどうしようもありません。

 

村瀬は申し訳なさと逆鱗に触れるだろう恐怖で、

がくがくぶるぶるふるえながら、担任の先生方に報告に上がります。

「あの、落ち着いて聞いてくださいね。

水曜日まで、停電続くようです。それも、最短で、です。

それまでは、ですね、今の状態です。

大変申し訳ありません」

ぶたれる!と思い、身構え、歯を食いしばりましたが、

先生方は苦笑いを浮かべながら、

「分かりました。なんとかします」

と、すんなり了承してくださいました。

3人の先生方は、おそらく、菩薩(ぼさつ)だと思います。

 

それにしても、

「電気」のある暮らしの素晴らしさを、痛切に感じさせられます。

電気がついている場所へ行くと、

とてもほっと気分になります。

蛍光灯がともるだけで、「おお、光っている!」

テレビがつくだけで、「おお、映っている!」

冷蔵庫が動いているだけで、「おお、ウォーンといっている!」

一つ一つが感動の対象です。

それに加えて、

文明にもたれすぎている人の弱さを痛感させられます。

「当たり前」のことは、本当は「当たり前」ではない。

そんな「当たり前」のことを考えさせられます。

この便利な暮らしを支えてくださっている人や物に、

改めて感謝の念を抱きます。

 

さて、1年生は、この3日間、

運動場や体育館を使うのはもちろん、

なかよしルームや図書室、音楽室などの教室へ、

遊牧民のように光を求めて移動しながら授業をしておりました。

担任の先生方は、

遅れることのないようにするだけではなく、

子どもたちにかなしい思いをできるだけさせないように、

工夫して授業をしておりました。

「停電が続いてごめんね」

1年生の子どもにそう話をすると、

「全然大丈夫だよ。いろんな場所で勉強ができて楽しいよ」

なんていう、前向きな言葉が返ってくることもありました。

それに、

復旧のために作業してくださっている方に、

「直してくれてありがとう」

と声を掛けている子どもさえもいました。

こんなふうに、

この暗がりでないと見つからないものがいくつも浮かびました。

 

ないものを嘆いてばかりいるよりも、

あるものでどうにかしようと動いている。

そうすれば、新しい何かが見つかるかもしれない。

 

このことは、

世界を取り巻く現状でもいえることではないでしょうか。

 

ああでよかった、こうでよかったと、

以前の状態を懐かしみ、称(たた)えるよりも、

ああしてみよう、こうしてみようと、

今の状態でできることを模索(もさく)して、動いてみる。

そうすれば、きっとまた、

新しい希望が生まれていく。

そう信じたいと思います。

 

暗がりのなかでも笑顔の1年生たちから、

たくさんのことを学ばせてもらった、迷探偵村瀬なのでした。

 

それでは、また。

 

9/8

【相野山小】  苦手なこと。

 

こんにちは、ご家庭は大丈夫でしたか、村瀬です。

当初の予定より強大化しなかったと専門家の方がおっしゃっていましたが、

十分恐ろしいサイズの台風でした。

未だ停電をしている地域もあるようです。

一日でも早い復旧・復興を願うばかりです。

 

さて、本校の被害はどうだったかというと、

赤いコーンが1本倒れていた程度で済みました。

ほっと一安心です。

本校は強風+大雨が重なると、

雨漏りするのが恒例となっております。

今回はそれもありませんでした。

外壁工事が完了するとそれらも治まるだろう、

との工事関係者の方々からの言葉がありましたので、

その希望にすがっております。

 

雨漏りが治まれば本校はもう心配なく、安全・安心で生活を送れます。

と、笑顔で口走ってみたいものですが、

残念ながら(ご存じのように、でしょうか)、そんな訳には参りません。

村瀬と同じように、日々、色んな場所が壊れていきます。

外見は若くても、

(最近は白いものが頭に目立ってきて、

子どもが描いた似顔絵には顔のシミがわざわざ強調されていましたが…)、

内部はボロボロなのです。

 

校内の様々な場所を、月に一度、先生方に点検してもらいます。

それ以外にも定期的に、業者さんに点検してもらいます。

その報告が村瀬の元にやってきます。

そして村瀬がため息をつきます、

というのがよくある流れです。

 

修理・修繕(しゅうぜん)を外部に依頼すると、

当然ですがお金が必要になってきます。

保護者の皆様と6年生ならお分かりのように、

それらに使われるお金は税金です。

皆様から捻出(ねんしゅつ)されたものですので、

使い方を十分に考なければなりません。

加えて、

それぞれの学校で使える予算が決められております。

ですので、

手当たり次第外部に依頼する訳にもいきません。

 

ということで、

自分で直せるだけ直してみよう、

というスタンスで、問題に対峙(たいじ)するしかありません。

その最前線に立って解決の努力をしないといけないのが、

村瀬のポジションです。

そこに立ちながら、いつもがくがくぶるぶる震えています。

 

DIY(日曜大工)が好きな方や得意な方っていらっしゃいますよね。

ちょちょいのちょいと、木材や金属を加工して、

必要なものを創ったり直したりできる方を、

つま先から頭のてっぺんまで憧れております。

そういう方こそ、私のポジションにいるべきだと確信しています。

 

自信をもって言いますが、

村瀬はその対極に位置して生きています。

自慢じゃないですが、

村瀬は不器用で有名です。

本校ではぶっちぎりで1位、

市内の学校なら、下から3位以内には入るだろうくらいの人間です。

ですので、工作やら手芸やら修理やら、

何か物を作ったり直したりという作業は、大の大の大の苦手人間です。

 

かつては自分の不器用さを、恥じると共に恨んでさえいました。

しかしこの職業についてから、

このコンプレックスとも呼べる自分の欠点が、時に役に立つということが分かりました。

 

それは、細かい作業が苦手な子の気持ちが、多少なりとも分かる、ということです。

 

見本をよく見ているのに、同じような字が書けない子。

定規をあててもまっすぐに線が描けない子。

裁縫で針に糸が通せなかったり、並縫いがガタガタになってしまったりする子。

頭に描いたものを形にできなくて、まったく違う作品に仕上がってしまう子。

 

学校には、そんな「小さな村瀬」がたくさんいます。

大人からしてみたら、

「なんでこんなこともできないの?」

と、思わず口にしてしまいたくなる場面がたくさんあるでしょう。

しかし村瀬は、

「わあ、それ、わかるわー」

と、共感できることが多々あるのです。

それはきっと、

わずかでも子どもに安心感を与えられるのではないかな、

と思っています。

 

自分には影を落とすような苦手な部分も、

誰かに光をともすような大きな力になる。

そんな風を考えられるようになりました。

まあ、いつでも、ではないですけれど。

 

それにたとえ、

見栄えがよくない作品に仕上がってしまっても、

どれだけがんばってもうまく物事が運ばなかったとしても、

一所懸命努力している姿は、とてもかっこいい(美しい)、

ということを、たくさんの「小さな村瀬」から教わりました。

 

「先生よりうまくできたー」

「先生よりましだわー」

「先生へったくそー」

そんな言葉を何度もらったことでしょう。

ほんの少し、ショックを受けながらも、

その度に心で叫んでいるのです。

「ええい、小さな村瀬たちよ。

えんりょなくワシを踏み台にして、

羽ばたいてゆけい!」

 

それでは、また。

 

9/3

【相野山小】  ブンブンブン♪

 

こんにちは、台風シーズン到来ですね、村瀬です。

恐ろしい強さの彼らが次々やってきています。

この地方には直撃しない予報にはなっていますが、

通過される地域の方々の暮らしが守られることを願ってやみません。

 

さて、本日は修学旅行説明会がありました。

外壁工事の関係で駐車場がいつもより狭くなり、

保護者の皆様には大変ご迷惑をおかけしています。

徒歩で来ていただいたり、乗り合わせで来ていただいたりと、

事前の連絡に応じていただき、

駐車場で大きな混乱が起こることはありませんでした。

6年生の保護者の皆様、ありがとうございました。

今年いっぱいは同じように、ご協力を願うことになることと思いますが、

どうぞご理解くださいませ。

 

さて、学校にお越しになられた方はお分かりのように、

外壁工事もいよいよ本格的に始まりました。

校舎周りに足場が組まれ、

近いうち、全館に覆(おお)いが被(かぶ)されることになります。

 

やはり風通しはよくないですし、少し薄暗くも感じます。

その状態を少しでも早く改善させようと、

工事に携わる人たちは、

酷暑の中であっても、急ピッチで作業を進めてくれています。

また、できるだけ授業の邪魔をしないようにと、

大きな音のでる作業は、極力子どもがいない時間に行うなど、

いろいろと気を配っていただいています。

ありがたい限りです。

 

ところでこの時節は、

台風だけではなく、他にもやってくる困った方がおります。

それは、

「スズメバチ」さんたちです。

 

相野山小学校の良さの一つに、
自然豊かな環境が挙げられます。

でも時折これが、
頭を悩ませることにつながることにもなります。

 

例えば、

むかでさんがむにょむにょいたり、

へびさんがにょろにょろいたり

こうもりさんがばさばさいたり。

そして、

はちさんもブンブンブンとやってきて、

たまに、家(巣)を作ってしまったり。

 

草刈り中、どの生き物にもしっかり遭遇しました。

そんなときは、

まさおくん(草刈りましーん)のうなり声に紛れさせながら、

「あ、すいません。ぼく、悪い人じゃないんです。

決して傷つけるつもりはありませんから、

どうか、こちらにはこないでくださいね」

と丁寧に声掛けをしています。
つい先日、ニュース番組で、

「スズメバチがどう猛になる季節」

と紹介されていたものですから、

日々おびえながら草刈りをするこの頃なのです。

 

そんな矢先、

工事を担当する職人さんがスズメバチの巣を発見してくださいました。

しかも、

2つも!

さらに、

1つは撤去まで!

(もう一つは高所にあったので、養蜂家の方に即日撤去してもらいました。)

 

「やっておきましたから」

と、さらりと言葉を残す職人さん。

本来の業務とは関係ないことなのですが、

子どもたちのために、ご厚意で行ってくれました。

ほんとに、感謝、感謝です。

 

そして、

さらりと人のために動ける職人さんのようでありたいなと、

目をハートにしながら汗水垂らして働く姿を見上げている、

村瀬なのです。

 

それでは、また。