関西学院大学教授
WCRP 日本委員会理事

山本俊正


「平和のビジョン(幻)を生きる」

 今年は明治維新から150年になります。150年間の約半分の期間、第2次世界大戦の終わりまで、日本はアジアで10年毎に戦争をしていました。
戦後70年以上もの間、戦争をせずに、他国を攻撃することもなかったという事実は、日本の近代史の中でも珍しいことです。
この歴史的事実を可能にしたのは、日本が平和憲法を持ち、9条を保持していたことに大きな理由の一つがあると思います。
近代史の中で戦争の被害にあったアジアの人々は、日本の憲法9条を過去の戦争への「悔い改め」の証として受け止めました。
平和憲法は、過去に被害を受けたアジアの人々にとって、日本が2度と「戦争をする国」にはならないための、大きな歯止めとなったのです。


 旧約聖書のイザヤ書2章4節に「彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。」という言葉があります。
ニューヨークの国連本部前に、この句が書かれた平和モニュメントが置かれています。
預言者イザヤが活躍した紀元前8世紀は、イスラエル民族が南北、二つの王国に分かれていました。
北のイスラエル王国がアッシリアに攻め滅ぼされ、南のユダ王国も戦乱の悲惨に巻き込まれていました。
敗残の小国としてアッシリアの支配に屈したユダ王国は無力感と絶望とに打ちひしがれていたのです。
このような状況下で預言者イザヤは、武器を捨てて平和を選び取る意思、「戦わない」ビジョン(幻)を明確に示し、人々に呼びかけました。憲法9条ができた時の日本の荒廃した状況に、非常によく似ています。
預言者イザヤは、いつの日か、この敗戦国を多くの国々が敬意を持って仰ぎ見ることになると告げています。
しかしそれは、軍事力を回復し、武力によって敵を屈服させるという復讐の宣言ではありませんでした。
そうではなく、「国は国に向かって剣をあげず、もはや戦うことを学ばない」という「非暴力国家」の宣言でした。
その結果として、この国が世界に仰がれるようになると主張したのでした。日本国憲法の前文には、
「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」と書かれています。敗戦後に定められた日本国憲法も、「武力による平和」という国際政治の現実主義を否定し、
もはや「戦わない」意思とビジョン(幻)を明確に示したのでした。

 

(会報3月号より)

 

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