日本キリスト教協議会
総幹事
WCRP 日本委員会理事
金 性済

「平和を実現するために」


 「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイ福音書5:9)

 この言葉をイエスが語られた時代には、”パックス・ロマーナ”、すなわちローマ帝国の支配の下での「平和」という考え方がありました。イエスは、圧倒的な武力によって弱小民族を制圧し、帝国に従属させられる当時の現実を真実の平和とは考えておられなかったようです。イエスが、「平和を守る人々」と言わず、「平和を実現する人々」と言われたことには、今の現実は決して平和ではない、という意味が暗示されているとも言えます。人の目には見えなくとも、目に見えない神が人とその世界をすべて見抜いておられることを、イエスは教えられました。その信仰に従って、人は、ただ自分の目に見えるものだけに従って判断するのではなく、目に見えにくい巨大な構造的悪、そして人の内に隠された罪をも、神の前で問い直すように促されるのです。

 戦争が終結した後、1945年8月に戦争は終わり、その後日本は、平和憲法の下に今日まで74年間、平和であったと言う人もいます。しかし、世界はすぐに米ソ冷戦体制の下におかれ、朝鮮半島では戦争(1950―53年)が起こり、国が南北分断され、今日に至っています。憲法9条を持つ平和憲法の下、日本は戦争を引き起こす大きな世界政治の構造の中で、全く無関係ではなく、やはりどこかで戦争に加担させられ、また影響を受けていたことを冷静に問い直すことが、宗教者には大切なことと言えます。

 神の前にあって罪を悔いるキリスト者は、「大東亜の平和」の名のもとに、朝鮮半島をはじめアジアの人々に多くの被害を、植民地支配と戦争によってもたらしたことの悔い改めと反省の上に、戦後の平和を考えるように導かれています。今日私たちが憲法9条を守る根拠もそこにおかれると同時に、武力に基づく防衛による「平和」の考え方は、現実的に聞こえても、人類が途方もなく高性能な現代兵器を作り上げてしまった今、軍事力により一旦始まった攻撃に対する防衛の効果は全く疑わしく、むしろそれは双方の破滅的な道であり、人間の心の不安と敵意を免れない道であるという真実に基づくものと言えます。キリスト者として、また宗教者として、その愚かしさを洞察しながら、「平和を実現する」ためにひたすら、祈り、呼びかけ、働くものでありたいと考えます。






 

(会報6月号より)

 

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