神道扶桑教管長
WCRP 日本委員会特別会員
宍野 史生

「『12月の奇跡』―先達からの贈り物―」

 私がWCRPの難民問題タスクフォース運営委員として関わって一年が経とうとしている。第一に外国語が大の苦手。その上、海外生活の経験も皆無。国際感覚の欠片(かけら)も無いのに難民問題という究極に難解なタスクフォースメンバーに選ばれたのが疑問に残りつつも…。ままよ。と思い切り第一回会合より五回に至る今日まで務めてきた。私達には、この問題の背景や原因を探り、具体的な課題について行動し提言する任務を与えられた。
 これまで、先人先輩の皆様が1976年以来、弛(たゆ)みなく難民救済事業を行って来られていたことは承知していた。当初はインドシナ、カンボジア難民・孤児のための救済事業であった。心無いメディアには、「非現実的な宗教者の勇み足」と揶揄(やゆ)されながらも先輩達は朴訥(ぼくとつ)になお、確実に事業を進めてこられた。この節「十二月の奇跡」と言いたい出来事が起った。それは昨年十二月庭野光祥師はじめ根本昌廣タスクフォース責任者らWCRPのメンバーがプノンペンを訪問した際、市内から空港までのたった40分の車中に同行した現地ガイドのプノムさんが元カンボジア難民で1985年からWCRPが支援する難民キャンプ「サイト2」及び孤児センターで育った方であったと判明したのだ。結果、今年一月にプノムさんを招いて私達は直接彼から話を聴くことが叶ったのだ。キャンプ時代の体験談を通して「心が優しくなったら戦争にならない」と語り、キャンプ時代に覚えた「WCRPの歌」と日本の歌「今日の日はさようなら」を披露してくれた。私達は深い感銘を受け、WCRPと先輩方の果実を強く実感した。この貴重な体験は私に一層、この問題に取り組む意義を覚醒させることとなった。プノンペンでの偶然の出来事は偶然では無く、神佛が示された重要な喚起だったのだ。
 現在タスクフォースは21世紀最大の人道危機と呼ばれるシリア難民支援に取り組んでいる。このたびシリアの留学生の受け入れを開始した。日本国政府は、来年度より開始を発表しているが、それよりも一足早く実践する。「一刻も早く…。」このスピード感は誇るべきではないだろうか。NGOオックスファムによる「世界資産の半分が数人の富裕者により保有されている。」という発表はご承知と思う。近代、新世界秩序の可能性を目指し、グローバル資本を翳(かざ)して地球規模の資本自由化を進めて来た結末が此の様である。貧しくも共に扶(たす)け合い共に支え合う、そして神佛の恵みに共に喜こぶという簡素を旨とする習俗の中で育まれた我が国の共生の思想に思いを寄せ、人々の幸せの一助となりたいと実践を続ける覚悟である。

(会報2月号より)
 

これまでのメッセージ

前号までの寄稿[全件一覧]
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恒久平和に向けた光明(0件)事務局2017/04/13(0票)
宗教者として洞察力が問われる年(0件)事務局2017/03/18(0票)
新春挨拶(0件)事務局2017/03/18(0票)
新しい時にこそ平和を(0件)事務局2017/01/30(0票)
自然と共生して(0件)事務局2017/01/16(0票)
愚者の自覚(0件)事務局2016/12/16(0票)
私を平和の道具としてお使いください(0件)事務局2016/11/24(1票)
「核兵器なき世界」に向けて(0件)事務局2016/10/20(0票)
「弘経の三軌」に学ぶ環境の在り方(0件)事務局2016/09/14(0票)
こころの扉(0件)事務局2016/08/30(1票)
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