【相野山小】 土産(みやげ)話。
おはようございます、週の初めから失礼します、村瀬です。
布団から出るのにひと踏ん張り必要な季節になってきましたね。
駐車場に舞い散る落ち葉も少なくなってきました。
マリーゴールドもそろそろ眠たくなってきたかなあ、という感じです。
さて、
先週のことですが、無事、修学旅行を終えることができました。
『無事』の言葉通り、小さなトラブルさえ考えても浮かばないほど、
平和な旅行でありました。
土産話として、ここに記すネタになることはないかと、
ペンとメモ帳を持ってうろうろとしていたわけですが、残念(?)なことに、
何も起きません。
こうなったら自分で起こしてやろうかとも思いましたが、
6年の学年主任M先生に吊るし上げられる可能性大なので、
おとなしくしておりました。
まあ、とにかく、全員が「無事」に帰宅することができた、ということが、
今回の旅行の最大、かつ、最高のおみやげのように感じます。
校長先生のぶろぐにも書かれておりますように、
この旅行が充実したものになり、また、無事に帰着できた裏には、
保護者のみなさんをはじめ、多くの方の支えがあったことに間違いはありません。
旅行中には、
我々教員と同じように、出発から到着まで、常に子どもたちの安全を案じ、
私たちをサポートしてくださっていた方がいます。
添乗員のCさんです。
Cさんには昨年の修学旅行でもお世話になっており、とても頼りになることは存じておりました。
初日のことです。
予定よりずいぶん早めに宿に到着することができました。
まずはお風呂の時間です。
子どもたちはちゃんと決められた時間を守って行動し、
また、待っている時間も各部屋で穏やかに過ごしておりました。
一通り子どもたちの様子を見て、手持ち無沙汰になった先生たちが、
気が付けば、なぜかお風呂の前の廊下に集まっていました。
平和な旅行のなせる業(わざ)です。
そこで、明日の見学地が話題となりました。
二条城と清水寺が当初の目的地でしたが、
どうも時間に余裕がありそうだ、ということになり、
「もう一か所、行けるんじゃねえ?」
と、主任M先生の目が光りました。
昨年度、相方を務めていた村瀬は、知っています。
M先生がこの目をしたときは、もう誰も止められません。
元々の見学地の位置を考えると、「三十三間堂」なら可能じゃないか、
と我々のなかで勝手に結論付けました。
そのアイディアをもって、添乗員のCさんを呼びます。
M先生「あーのー」(M先生が頼みごとをするときの口癖です)
Cさん「はい、いかがなさいましたか?」
M先生「明日、もう一か所行きたいんですよねえ」
Cさん「と、言いますと?」
M先生「三十三間堂、行けると思うんですけど」
Cさん「……、わかりました。少し確認してきます」
M先生の眼光に気圧(けお)され、Cさんは慌てて電話を掛けにいきました。
しばらくして、Cさんが戻ってきました。
Cさん「あの、申し訳ありませんが、当初の予定を変えて、目的地を増やしますと、
バス会社の行程も変更しなければなりませんし、…(すごく真っ当な理由)…。
ですので、少し難しいかと…」
M先生「えーー! いやだーー! いきたいーー! いきたいーー!」
一度火が付くと、校長先生がいてもM先生は抑えつけられません。
駄々をこねているうちに、三十三間堂付近に一時停車させて子どもを降ろし、
バスは当初の予定通り清水寺の駐車場に停めるなら大丈夫かも、という案が出されました。
Cさん「お子様たちは見学後、清水寺まで歩くことになりますが、大丈夫ですか?」
M先生「どれくらいかかるの? 村瀬、調べろ」
村瀬 「え? はい! ええと…」
M先生「おっそい、早く!」
村瀬 「は、はい! ええと、およそ、30分であります!」
M先生「なら大丈夫です。その案でお願いします」
Cさん「は、はい! それと、そこまでの案内は大丈夫ですか?
バスガイドはいませんので…」
M先生「村瀬がやります」
村瀬 「え?」
M先生「できるよな?」
村瀬 「は、はい! がんばります!」
M先生「迷ったら、分かってるよな?」
村瀬 「は、はい! 身命(しんめい)を賭(と)して案内します!」
M先生「あーよかった、よかった!」
M先生はもう決定した気分です。
これでもし、「無理でした」となったら、身に危険が及ぶことを察知したのでしょう。
Cさんはその後、各方面に電話をかけまくり、必死で調整してくれました。
こうして、風呂場前の座談会で生まれた新たな夢は、
Cさんのご尽力により、形になったのでした。
(その上、子どもたちの安全と、村瀬の命をも守るため、
三十三間堂から清水寺までの歩行ルートを、
休憩時間を削ってまで探索し続け、先導までしてくれました!)
今回の修学旅行は、
いろいろと心配なことも、思うに任せぬことも多くありましたが、
見学地が空いていたり(びっくりしました)、
お土産が増えたり(ごーとぅーとらべるきゃんぺーんより)と、
今年度でしか受けられぬ恩恵も多々ありました。
それを前向きに考え、
6年生にとって、良い思い出となってくれたなら、うれしく思います。
ご苦労を掛けたCさんもそう思ってくれているでしょうね。
そして、
Cさんのように、この旅行を支えてくれた方々への感謝も、
忘れないでほしいと願います。
それでは、また。