『お父さんは幸せだったのですか?』
同じ男でも、妻にとっての夫より、子どもにとっての父親のほうが、
感情的には複雑なものがある。
夫婦の場合、結婚した当初はお互い人間として未熟だったにせよ、
自らの意思で相手を選んだ。
たとえお見合い結婚だったとしても。
しかし、親子の場合、それはない。
結婚はある意味ギャンブルだが、子どもにとって親との出会いは「くじ」のようなものだ。
物心付いた時、そのくじが当たりだったかスカだったかを知る。
その結果をただ受け入れるしかない。
あの社説を読んで、中学生の時に家を出て行った父親に会いに行こうと思った女性がいた。
両親は離婚する以前から別居状態にあり、あまり父親と言葉を交わすことはなかった。
小さい頃、激しい言葉で一方的に母親を責めているところをよく見ていた。
だからずっと父親が嫌いだったそうだ。
今年の春、彼女は関西の大学を出て小学校の教師になった。
大人になった自分を父に見てほしいと思った。
今の自分なら一人の大人として父と向き合えるかもしれない、と。
そして「父の日」に会いに行った。
「あの頃、お父さんはどんな仕事をしていたの?」
「お母さんのことをどう思っていたの?」。
昔のことをいろいろ聞いてみた。
父親は終始穏やかで、時に笑顔で当時の気持ちを語ってくれた。
「過去は変えられないが、過去にまつわる感情は変えられる」という心理学の言葉のように、
父親に対する嫌悪感が次第に解けていくのを感じたという。
両親が越えられなかった壁を子どもは越えていく。
そして両親とは異なる自分の未来を築いていく。
子どもが大人になるということは、こういうことなのだろう。
さて、父親というものは、直接子どもには言わないが、子育てにあまり関わってこなかった
ことに対して多少なりとも負い目を持っているものだ。
韓国最大の金融組織「KB金融グループ」がこんなCM動画を作っている。
登場するのは40か月未満の子どもをもつ若い男たち。
机と椅子とテレビだけしかない個室に一人ずつ入って、「子どもの発育に関する父親の役割」
というアンケートに答えていく。
その様子を隠しカメラが撮影している。
アンケートは次のような質問だ。
「子どもが一番好きな食べ物は何ですか?」
「子どもが寝ている姿を眺めたことはありますか?」
「あなたの車に、携帯電話に、机の上に、子どもの写真は何枚ありますか?」
「最近子どもとハグしましたか?」。
若い父親たちは、スラスラと、時ににやけながら回答していく。
後半になると違った意味合いの質問に変わる。
「お父さんが一番好きな食べ物は何ですか?」
「お父さんが寝ている姿を眺めたことはありますか?」
「あなたの車に、携帯電話に、机の上に、お父さんの写真は何枚ありますか?」
「最近お父さんとハグしましたか?」
皆、急に真顔になる。
ある人はペンを置いて遠くを眺めたり、ある人は頭を抱え込んだりしてペンが進まない。
その時、突然室内のテレビから映像が流れる。
「今までおまえに何もしてあげられなくて本当に心が痛い」
「何ひとつ助けてあげられなかったのにこんなに立派に大きくなって…」
「足りないオヤジだった。本当に申し訳ない」
それは、それぞれの父親からのビデオメッセージだった。
初老の彼らは口々に「何もしてあげられなかった」「申し訳ない」と語り掛ける。
それを見て若い父親たちは絶句。
やがて皆泣き顔になっていく。
父親も自分のルーツの一人だ。
これからも携帯の待ち受け画面や机の上に、その写真が飾られることはないかもしれない
が、心にはちゃんと刻んでおきたい。
その人を越えていくために。
それが父親に一番喜んでもらえる親孝行になるのではないか。
幸い、私には父親も母親も85歳付近で、元気に生きています。
このコメントを読んで・・・・・・・・。
考えさせられました。
自分自身が父親であること!
自分自身の父親のこと!
最近、「じいじ」になったこと!
両親は、今年、結婚60周年です。
親孝行ができるうちに!!
考えさせられたのも、歳を取ってきた証拠かな?
親愛なる日中健児のみなさん!
中学生ですが、「何か、感じますか?」