(伊丹商工会議所主催の講演会より)
福井県の印刷会社でもそうじの取り組みを行なっています。
この会社は眼鏡のフレームのワンポイント印刷など、特殊な仕事をしている会社です。
当初は床や壁がインクまみれで、そのインクをスクレーパー(ヘラ状の工具)で
こそげ落としていました。
インクってとても頑固ですので、一度固まってしまうと溶剤でも全く取れません。
それを落とすのには、相当の労力がかかります。
するときれいになった時、「もう二度とこんな大変なそうじをしたくない」と思い、
社員全員が「もう汚さないようにしよう」と考えるのです。
そして、印刷の作業を丁寧にするようになります。
それによって製品の品質も上がっていきました。
「倉庫在庫ゼロ化」という取り組みもご紹介します。
香川県にあるホームセンターの事例です。
小売店というのは、バックヤードの部分で在庫を抱えています。
それをやめて、商品を全部店頭に出そうという取り組みです。
バックヤードに商品在庫があると、それが往々にして長期在庫化、不良在庫化に
つながってしまいます。
それからお客さんに「これはありますか?」と聞かれて、その度に「在庫を確認します」と
奥に引っ込むのは時間のロスです。
商品をすべて店頭に出していれば、接客時間をたくさん確保することができます。
倉庫在庫を見直す時、まず徹底的に「何これ?」というものをなくしていきました。
「これは何ですか?」と聞くと「それはこの間の残りかな」とか「誰かの私物かもしれない」
というように、要らないものが山ほどありました。
ですから最初の段階として、本来そこにあるべきものでない物を処分したのです。
すると倉庫の中が商品だけになりますので、後は工夫をして商品を売り場に出して
いけばいいのです。
「そうじをすると会社がよくなる」というのは、決してイメージや精神論ではないと思います。
実際にいろんな企業で目に見える効果が表れているからです。
ただ、ここにいくつかの難点があることも確かです。
その一つは、「会社がよくなるまでにちょっと時間がかかる」ということです。
今日そうじしたから明日の売上が上がるというわけにはいきません。
やはり早くても半年~1年くらいかかることもあります。
さらに、そうじをすることでどんな効果が出てくるかまでは分かりません。
どうしてもその会社の状況によって違ってきますので、「こういう変化がある」と
断言することができません。
ただ、この会社だけでなく、
そうじの取り組みを始めた企業で「新卒社員の退職が5年間ゼロ」とか
「売上が40%増加した」といった結果が出ています。
すぐに利益が上がるわけではないにしても、
間接的な結果として何かしらの効果が出ているのです。
では、「利益」を追究しない教育現場では、どうでしょうか?
よく、教育は「その成果」が目に見えない?と言われます。
成果が見えないから?「やらない?」
二の足を踏む?
教育は「成果が出る出ない?」「効率的であるかないのか?」ではないのです。
大切なことは「今」をしっかりと見つめて、
「現実」の中で「何か改善できる部分はないのか?」と試行錯誤し、
「まずはやってみる!」
その「意味づけ」さえしっかりしてあげれば、
すべての取り組みに「意味があり」「勉強になる」!!と考えています。
「そうじ」の力を云々するよりも、まずは、良いと思ったら「やってみる!!」
命に関わらない部分では、
教育は「石橋を叩きすぎるよりも、やってみて『そこから学ばせる!』」ことの方が
「カオス」「混沌」とした時代には、勉強になると信じています。
「挑戦」「チャレンジ」しましょう!!
がんばれ!!日中健児!!