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2020/01/29

1月29日(水)

Tweet ThisSend to Facebook | by 日進中学校管理者
福音館書店が東京都で開催した「月刊絵本『かがくのとも』創刊50周年」基調講演より
  私は研究の中で「GP2」=「グリコプロテイン(糖タンパク質)2型」という遺伝子を
発見しました。
  この「GP2」が細胞の中でどのような役割を果たしているのかを調べるため、
私はGP2遺伝子を切り取ったマウスをつくりました。
  たとえば、そのマウスがすぐにがんにかかったら、「GP2遺伝子は普段からがんに
ならないように防いでいる」という予測が立ちます。
  つまり、その「GP2遺伝子のないマウス」をつくり出して観察していくことでGP2遺伝子
の役割が見えてくるということです。
  私は寝食を忘れ、GP2遺伝子を持たないマウスをつくるため、数年の歳月と膨大な
「研究費」をかけていきました。
  かかった費用は「新車のポルシェ3台が軽く買える額」です。
私は東奔西走してその研究費を集めマウスをつくり上げたのでした。

  マウスは、飼育箱の中を走り回り、とても元気でした。
ただ、GP2遺伝子を切り取っていますから、どこかに異常があることは間違いないのです。
  「異常はいつ出てくるのだろう」とドキドキしながらマウスを見守りました。
  ところが、いつまで経っても異常は出てきません。
血液の値も正常で、細胞にもおかしな部分は見受けられませんでした。
  そのうち、「もしかすると異常はマウスの生涯の後半に出てくるのかも」と考えるように
なりました。
  しかし、その後何年経っても異常は出ませんでした。
マウスの寿命が極端に短いということもありませんでした。
  やがてマウスは、同じGP2遺伝子のないマウスと交尾し、子孫をつくります。
  その子孫にも注目しましたが、健康で生殖能力に異常がある様子もありませんでした。
 大事な役割を果たしているはずのGP2遺伝子が欠損しているにもかかわらず、
異常がなぜ出ないのか、私にはまったく分かりませんでした。
  私は、「膨大な研究費と時間を費やしながら何の成果も得られない」という、
とても大きな壁にぶつかってしまったのです。
  そんな中、ふと思いついたことがありました。
  「私が今やっている分子生物学というのは生物を機械のようにみなす学問だ。
でも生物学は最初から生命を機械のように思っていたわけじゃない。
もう一度、過去に戻って勉強し直してみよう」と。
  そして見つけたのが「ルドルフ・シェーンハイマー」という生化学者です。
  彼は80年くらい前の人で、「生命は流れている」と言った人でした。
彼のおかげで私は大きな発見にたどり着いていくのです。

過去の人を「化石」という人がいますが、
「化石」で終わらせるのか?「生きた化石」として・・・・・・・・。
普遍的なもの!
きっと、天才的な人は「その時代」には理解されなくても、
100年後200年後に「何らかの普遍的なことに気づいて」発言し、行動しているものです。
そんな人たちのおかげで、今の我々が「活かされている」のかもしれません。
何事も常に「行きつ戻りつ」しながら、成長・進化していくのでしょうね!
「生命」と「機械」。
今後、「生命」と「機械」が、「人間」と「AI」になっていくのも、時間の問題かもしれませんね。
過去から学べない人類には、なりたくないと思っています。
みなさんは?

 

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