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日誌


2019/12/16

12月16日(月)みやざき中央新聞

Tweet ThisSend to Facebook | by 日進中学校管理者
私たちはどう生きてきたのか
魂の編集長 水谷謹人
 日なたを歩けば必ず影がついてくるように生きていると悩みは付きものだ。
  悩みには二種類あると、今まで散々悩んできて分かった。例えば、「なんでこんな家に生まれたんだ」とか「なんであの人はああなんだ」というような、自分では解決できない悩み。これを「マイナスの悩み」と呼ぼう。もう一つは、「どうしたらいいんだろう」「自分にできることはないのか」というような、自分で解決できる悩みである。これを「プラスの悩み」と呼ぶ。
  頭脳の「脳」や苦悩の「悩」という字の右側は、元々は「脳みそ」を表す古代文字が変形したものらしい。これに「月(にくづき)」がくっつくと肉体の「脳」になり、「心」を意味する部首、「?(りっしんべん)」がくっつくと「悩み」になる。つまり悩みとは人間の脳と心が共同で織りなす大事業なのである。だからどうせ悩むなら「プラスの悩み」がいい。「マイナスの悩み」のために、脳と心のエネルギーを費やすのはもったいない。
  さて、一昨年から今年にかけて日本人に一番読まれた本は『君たちはどう生きるか』の漫画版(マガジンハウス)だそうだ。元々は戦前に出版された吉野源三郎氏の児童文学だが、それを漫画家の羽賀翔一氏が80年後の現代に復活させた。
  これが200万部を超える大ベストセラーになった。読んでみてその理由が分かった。この中に科学があり哲学があり、思春期の苦悩があり青春のノスタルジーがあるからだ。
  登場人物は主人公の中学1年生・コペル君と彼の友だち、そしてコペル君に大きな影響を与える母方の叔父さん。
  前半のテーマは「コペル君の偉大なる発見」だ。彼は叔父さんと一緒に銀座のビルの上から街を見下ろしながら、最近理科で習った分子のことを思い出す。
  「全ての物は小さな分子の集合体だというけど、人間一人ひとりもこの社会を構成する小さな分子みたいだ」と。
  それを聞いた叔父さんは、「その発想はコペルニクスみたいだ」と言って、彼に「コペル君」というあだ名を付ける。
  そして「人は自分を中心に考える癖がある。昔の人は自分がいる地球を中心に天体が回っていると思っていた。しかしコペルニクスは、宇宙を俯瞰的に見ることで初めて地球が太陽の周りを回っていることを発見した。自分中心から全体を俯瞰的に見る眼を持つことを『コペルニクス的転回』というんだ」というようなメッセージをコペル君に送る。
  その後、コペル君はこんな発見もする。「あぶらあげ」というあだ名を付けられて、その貧しさ故にいじめられている浦川君が学校を休んだ。コペル君は彼の家にプリントを届けに行く。浦川君は働いていた。家業の豆腐屋を手伝うために学校を休んだのだった。油揚げを作ったり接客をしている浦川君を見て、コペル君は「すごい!」と思った。
  その話を聞いた叔父さんは、「君が素晴らしいのは、貧しい家の友が懸命に生きている姿を見て、『浦川君はすごい』と思ったことだ」とコペル君を褒めながら、「君は普通にご飯が食べられ、普通に学校に通っている。それは普通じゃないんだ。『有難いこと』なんだ。だから感謝しないといけないよ」と言う。
  後半のテーマは「コペル君の青春の苦悩」である。三人の親友が上級生に殴られている現場に居合わせながらも、彼は見て見ぬふりをしてしまった。その前日に「僕も一緒に闘う」と豪語していたのに。
  友を裏切ってしまったコペル君は自分に絶望し、何日も部屋に引きこもる。その彼を救ったのも叔父さんの言葉だった。 「君が苦しんでいるのは君が正しい道に向かおうとしているからだ。人間には自分で自分を決定する力があるんだ」と。
  「どう生きるか」の前に「どう生きてきたのか」と振り返ってみるのもいい。悩んでいた時、支えてくれたいろんな人の顔を思い出すだろう。たくさんの小さな分子が物質を作っているように、我々の人生もきっとたくさんの人の「誰かのために」という心で創られているはずだ。

親愛なる日中健児のみなさん!
まだまだ、15年程度の人生ですが「きっと、どう生きてきたのか?」と考えれば、
100名いれば100通りの人生があったはずです。
人それぞれ、出会ってきた人は違うはずです。
そして、出会った人によって「その関わりの深さ」は違うはずです。
そのどの人にも、きっと、感謝があるはずです。
「感謝」できる人ほど「強くなれる!!」と言われています。
節目節目に「どう生きてきたのか?」振り返りましょう!!
がんばれ!!日中健児!!

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