2018/10/01 | 10月1日(月)みやざき中央新聞 | | by 日進中学校管理者 |
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タレントの萩本欽一さんがキムタクこと木村拓哉さんに「好きな食べ物は?」と聞いた時、返ってきた言葉に感動したという話がある。洒落た西洋料理の名前が出てくるのかと思ったら、キムタクの答えは「お母さんの作ったお稲荷さん」だった。「お稲荷さん」ではなく、「お母さんの作った」と付け加えるところに、欽ちゃんはキムタクの仕事に対する感性の良さを感じたそうだ。(『ダメなときほど「言葉」を磨こう』集英社新書)
物はただの「物」じゃない。たとえば、「今、目の前に何がありますか?」と問われて、「パソコン、メガネ、ボールペン、本」ではなく、ちょっと物に想いを込めてみてはどうだろう。
「仕事のパートナーのパソコン、僕の体の一部になったメガネ、便りを書く時はこれと決めているブルーブラックのボールペン、この前、高野登さんに薦められて買った本、タイトルは『首長パンチ』」と、こんな具合に。
「物」に想いを込めるのは、それらはすべて、星の数ほどある中から自分が選び、愛用している物だからである。
なぜ愛用しているのか。「お気に入りだから」「使いやすいから」「このデザインが好きだから」、いろいろあると思う。
大事なことがもっとその奥にある。すべての物は、一つの例外もなく「作った人がいる」ということだ。その人たちは使ってくれる人に想いを馳せ、「どういうデザインにしたら使いやすいか」「どういう機能をつけたら喜んでもらえるか」と一生懸命考え、そして生み出した。だからそれを手にした人が「欲しくなる」「気に入る」「使っていて愛着が出てくる」。
㈱カモガシラランド代表の鴨頭嘉人さんは、小学6年生に向けて「働くことってどういうこと?」というテーマで授業を依頼された時、心底悩んだ。「自分の話した言葉が、子どもたちの今後の人生に大きな影響を与える」、そう思ったからである。そして彼はこんな授業をした。
「君たちが今使っているすべての物は、誰かが『これを買ってくれる人に喜んでもらおう』という想いを込めて作った物です。それが『働く』ということです」
それまで「働くことは大変なこと」「仕事はつらいこと」と思っていた小学生の目が輝いた。
鴨頭さんが主催している「自分の仕事が大好き大賞」という、大きなイベントがある。5人のプレゼンターが仕事を通して得られたこと、感じたこと、働く喜びを5000人収容の大ホールで語るのだ。
3年前、宮本侑弥君という兵庫県の高校生が大人に混じって出場した。彼は中学2年の時にスープ屋を起業していた。きっかけは友だちと「将来何になりたい?」という話をしたことだった。
友だちは「俺は公務員になりたい」と言った。それに対して宮本君は言った。「公務員は職業とちゃうで。職業は、例えばプロ野球の選手とか、そういうものや」。それでも友だちは言った。「何言うてんの。安定が一番や。今はどんなにいい会社に入ってもいつ潰れるか分からんやろ」
宮本君は怒った。「今の世の中、安定なんかないで。世の中どんどん変化しとる。俺らが変わらなあかん。どんどん挑戦せなあかん。そんな人間が現れなかったら日本は潰れるで。やろうよ、俺らから」
「その日から友だちが減った」という宮本君。冷静になって考えた。「言葉で友だちを説得するのはやめよう。自分が行動を起こして変わっていく姿を見せよう」
経営塾で大人と一緒に勉強した。スープ屋は移動販売の形態にした。最初の営業は夏祭りの屋台だった。周りの屋台に人だかりができているのに、宮本君のスープ屋には一人も来なかった。
1時間が過ぎた頃、やっと一人の女性が来た。「嬉しかった。幸せってこれなんだと思った」と彼は言う。「働く。お客様が来る。買っていただける。なんて素晴らしいんだ」と。
働く喜びをどうしたら感じられるか。本当の「働き方改革」は、そんなところにあるのではないかと思う。
「安定」のない世の中になっていくのであれば?????
中学生から「働くとは?」を考えていくことも大切なことですね。
今の子どもたちは「将来に不安」を持っています。
大人として、同じように「働き方」を考えてあげても良いのではないでしょうか?
大人の責務でもあると思います。
保護者のみなさん!!
ご家庭でも「進路の時期でなくても!」
話し合うことに意義がある!!
私は、そう思っています!!
がんばれ!!日中健児!!