「悔しくて涙が止まらなかった」
日本マクドナルド㈱のスーパーバイザーだった鴨頭嘉人(かもがしら・よしひと)さん(52)は、
8年前、居酒屋「てっぺん」の社長・大嶋啓介さんと初めて出会った時のことを、こう語る。
彼がマクドナルドでアルバイトを始めたのは19歳の時だった。
4年後、23歳の時に正社員になった。
「マックの厨房で死んでもいい」という覚悟があった。
それほどマクドナルドが好きだった。
「食べるならご飯のほうが好き。ハンバーガーならモスバーガーのほうがうまい」と
彼は言う。ではどこに惚れたのか。
「マクドナルドで作っているのはハンバーガーじゃないんです。人なんです」と
豪語する。
全国の店舗には初めてアルバイトをする高校生が何万人もいる。
彼らに「お金を稼ぐとはどういうことか」
「チームで働くとはどういうことか」を徹底的に教える。
そのシステムがある。
伝えるのは「働く喜び」。
だから「マクドナルドのアルバイトを経験した子たちは立派な社会人になる」と言い切る。
30歳で店長になった。
32歳の時、全国3300店舗中、「お客様満足度日本一」と「従業員満足度日本一」、
そして「売上伸び率日本一」を獲得し、最優秀店長として表彰された。
40歳を過ぎる頃には店長を指導するスーパーバイザーになった。
ある日、上司から「居酒屋甲子園」というイベントに誘われた。
「居酒屋から日本を元気にしたい」と、大嶋さんが立ち上げたものだ。
地方予選を勝ち抜いた居酒屋が横浜に集結して、お店の取り組みや想いを5000人の前で
発表し、日本一熱くて元気な居酒屋が選ばれる。
鴨頭さんは衝撃を受けた。
オープニング映像から感動し号泣した。
そして最後の大嶋さんのスピーチで打ちのめされた。
会場を埋め尽くした5000人の同業者に向かって大嶋さんはこう語ったのだ。
「自分の職場に誇りを持ち、共に学び、共に成長し、共に勝とう」
当時、外食産業は潰し合いが常識だった。
近くに同業者が出店すると、「客が取られる」「売上が下がる」という危機感から、
いかにその店を潰すかが至上命令だった。
同業者の人たちの生活も考えず、自分の会社さえ勝ち残ればいいと、
皆「競合打倒」を叫んでいた。
ところが、自分より10歳以上も若い大嶋さんが「共に学び、共に成長しよう」と同業者に
訴えている。
「何なんだ!」と思った。
その志の高さの違いに愕然とした。
感動の涙は、悔し涙に変わっていた。
8年前、25年間お世話になったマクドナルドを辞めて独立した。
鴨頭さんは講演家となり、働くすべての人を笑顔にする活動を始めた。
その一つが、嬉しいサービスを受けた時に「素敵な笑顔ですね。元気をもらいました。
ありがとうございます。
これ、もらってください」と言って、赤いカードを渡す。
「ハッピーマイレージ」という活動だ。
ある日の朝、駅の「キオスク」で買い物をしたら、元気な明るい声で「ありがとうございました。
今日も一日頑張ってください」と言われた。
笑顔の素敵な若い女性だった。
「あなたのあいさつで元気になれます。ありがとう」と言って、
鴨頭さんは「ハッピーマイレージカード」を渡した。
お店を離れて振り返ると、彼女は買い物をした客だけでなく、店の前を通るすべての人に
向かって「おはようございます。
今日も一日頑張ってください」と声を張り上げていた。
彼女にとって「働く」とは、その駅を利用するすべての人を元気にすることだったのだ。
時間帯をずらして通ると、他の店員さんはやっていない。
鴨頭さんは言う。
「仕事の価値を高めるのは会社ではない。仕事をしている、その人なんです」
素敵に輝きながらサービスを提供している人がいたら、感謝や激励や賞賛の声を掛け、
カードを渡す。
それは働く人の仕事に対するやりがいや喜びをさらに大きくする。
この活動が全国に広がったら日本は元気になる。
鴨頭さんは、これがやりたくて独立したのだそうだ。
やはり、すべて「ともに!」ですね。
自分だけ?私だけ?僕だけ?では、・・・・・・・。
そして、「元気のエネルギー」が基本ですね。
「働く」とは、「お金」を稼ぐこと?と考えている人も、多くいると思いますが、
「働く」ことは、「みんなを幸せにすること」・・・・・・・・・・・・・。
そんな「誇り」を持ちたいものですね!!
小さなプライド?
大きな「誇り」!
どうせ働くのなら、「大きく」なりましょう!!
よろしく!日中健児!!