最先端のメンタルトレーニングを、スポーツや教育の現場・企業等で指導している
大儀見さんの講演会から。
やる気には、
自分から「もっとやりたい」と思う内発的やる気と、
刺激(アメとムチ)を与えてやらせる外発的やる気があると話しました。
人間には、「やる気がなくなる瞬間」があります。
それは、外発的な刺激がどかーんと入ってきたときです。
特に、自己決定をして、行動を起こした直後に「ああしろ、こうしろ」という指示が入ると、
途端にやる気ががくんと落ちてしまうのです。
皆さんも学生の頃、こんな経験はありませんか?
試験1週間前、リビングでごろごろしています。
頭の片隅では、「1週間後、試験だぞ」という意識がよぎっているわけですね。
でも、「もう少しだらだらしよう」と思う。
そして、「よし、そろそろ勉強始めよう」と立ち上がった時、
「いつまでぐずぐずしているの。早く勉強しなさい」と親に言われる。
その瞬間、一気にやる気がなくなってしまう。
しかし、ここで、伸びる子とそのままやらされる状態の子と、2パターンに分かれます。
パターン1。
「早くやりなさい」と言われて、「もう、今やろうと思ったのにむかつくな」と言ってドアをバタン
と閉め、ドッタンバッタンと部屋に行ってもイライラが続き、勉強がはかどらない。
こんな状態です。
パターン2。
「早くやりなさい」と言われて、「今やろうと思ったのに」と腹は立つのです。
人間ですから。でも、その後が違います。
「OK、じゃあ5分後、仕切り直すか」と、部屋に向かいながら何をやろうか考えるのです。
「まずは英語を1時間やろう。その後15分の休憩をとって…」と自分でやることを決めていく
ことで、だんだん気持ちが切り替わっていくのです。
セルフコントロールにおいて一番大事なのは、このように自己決定・自己選択をすることで、
気持ちを切り替えていくことなのです。
たとえば、「試験前にペンの色を選ばせるだけでも成績が上がる」という調査結果があります。
ですから、親や指導者は、結果よりも子どもたちが自己決定・自己選択することに期待して
ください。その期待に応えようとすることで、子どもや選手たちは成長していきます。
では、いかにこの自己決定・自己選択する力を身に付けていくか。
そのトレーニング方法があります。
大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手がやって有名になった
「夢のイメージ作りワークシート」です。
紙の真ん中に夢を書き、その夢から連想するものを回りに八つ書き入れ、
それぞれを木の枝のように発展させていくものです。
たとえば、「ダイエット成功」という夢があるとします。そのためには何をしたらいいか。
毎日体重計に乗る、消費・摂取カロリーを考える、運動や食事のメニューを考える。
こうやって全ての項目を掘り下げていくのです。
そうすることで思考が整理され、行動に移すことができるようになります。
これの面白いところは、やっていく中でどんどんひらめきが出てくるところです。
想像力が働くのですね。
複雑な迷路に小さな矢印があると「行けそうだ」と思えるように、
自己決定・自己選択する力は、夢という複雑な迷路に迷い込んだ時に、
小さな矢印(小さなプラン)を自分でどんどん作っていける能力につながります。
この能力を上げていくことが大切なのですね。
以前、紹介したことがありますが、なかなか良いですよ!
ぜひ、具体的に「自分自身で考え」自己決定してくださいね!!
何となく?は、何となくしか生まれません。
具体的に!!
がんばれ!!日中健児!!