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2020/09/14

【日進中】9月14日(月)みやざき中央新聞

Tweet ThisSend to Facebook | by 日進中学校管理者
「クレージーな夢を叶えることの意味 」魂の編集長 水谷謹人 より
 人は誰しも夢を見る。見るのは自由だし、勝手である。
  「新薬を開発して難病で苦しむ患者を救いたい」とか、「将来は発展途上国に
行って井戸を掘りたい」など、誰かの役の立つ夢や人類の発展に寄与する夢も
あれば、「エベレストに登頂したい」とか、「自転車で世界一周したい」など、
個人的で、かつ命のリスクを伴うクレージーな夢もある。
  先月、熊本市託麻倫(たくま)理法人会主催のセミナーで、岩本光弘さん
(53)の話を聞いた。彼の夢も相当クレージーなものだった。全盲の彼が
「ヨットで太平洋を横断したい」というのだ。
  視力が衰え始めたのは13歳の時だった。3年後には完全に光を失った。
「危ないからこれを使いなさい」と母親から白杖(はくじょう)を渡されたが、
見えない現実を受け入れられない岩本少年は白杖を投げ捨て、母親が一番悲しむ
であろう言葉を吐いた。「なんで俺を生んだんだ。俺は生まれてこんほうが
よかった」
  16歳にして人生の絶望の淵に立った。橋から飛び降りて死のうとした。
欄干に何度もよじ登るが手は動くのに足が動かない。疲れて近くの木陰にへたり
込んだらいつの間にか寝てしまった。
  その時、数年前に他界した伯父が夢に出てきた。自分をわが子のように
可愛がってくれた伯父はこう言った。「見えなくなったのには意味がある。
おまえが前向きに生きれば多くの人に勇気と希望を与えられる」
  意味が分からなかったが、「死んではいけない」ということだけは分かった。
  盲学校では先生が「これで世界中の人と友だちになれるぞ」と言ってアマチュア
無線を教えてくれた。今ならインターネットやスマホだろうが、当時はそれしか
なかった。
  無線機から英語が流れてきた。でも聞き取れない。その時、「英語を学ぼう」
と思った。盲学校卒業後、彼はアメリカに留学した。
  そして、「見えないから無理」と思わないことにした。やりたいことが見つかった
ら、とにかく挑戦する。そんなことを繰り返した。
  35歳の時、アメリカ人の妻キャレンさんから誘われてヨットに乗った。以来、
ヨットにハマり、数年後には「ブラインドセーリング(視覚障がい者と晴眼者が
チームを組んで航海をする。世界選手権もありパラリンピック種目にもなっている)」
の世界大会に出場するほどの腕前になった。
  やがて「ヨットで太平洋を横断したい」というクレージーな夢を描き始めた。
  ひょんなことからキャスターの辛坊治郎さんと出会った。辛坊さんは岩本さんの
クレージーな夢に引き込まれた。2人は2013年6月、たくさんの報道陣と市民に
見送られ、福島県の小名浜港を出港した。
  詳細は岩本さんの著書『見えないからこそ見えた光』に譲るとして、3日目と
4日目には大嵐に遭遇し、九死に一生を得た。そして運命の6日目。ヨットが
クジラと衝突し、浸水。2人は命からがら救命ボートで脱出し、太平洋を漂流した。
海上自衛隊に救出されたのは11時間後だった。
  人生二度目の絶望はこの後に訪れた。ネット上の凄まじいバッシング。素性の
知れない人たちからの誹謗中傷に、「全盲にもかかわらずヨットで太平洋横断」
という夢に挑戦するほどの精神力を持つ岩本さんでも打ちのめされた。
一歩も家を出られなくなった。
  半年が過ぎた頃、家でボーっとしていたら「見えなくなったのには意味がある」
という、16歳の時に聞いた伯父の声が聞こえてきた。ふと岩本さんは思った。
「クジラと衝突したのにも意味があるのではないか」と。
  そこから再びあのクレージーな夢と向き合い始めた。
「もう一度太平洋横断に挑戦したい」
  そしたらクレージーな男が現れた。アメリカ人ダグラス・スミス(56)。
「あなたは目が見えないけどヨットの技術はある。私はヨットのことは知らない
けど目が見える。2人でやれば夢は叶う」と無茶苦茶なことを言ってきた。
  2019年4月、2人は見事、クレージーな夢を叶えた。マスコミは「全盲で世界初
の太平洋横断」と絶賛したが、岩本さんは言う。
  「僕よりすごいのは、ヨットのことを何も知らないのに、全盲の僕が操縦する
ヨットに乗り込んできたダグラスです」と。
  「クレージー」を和訳すると放送禁止用語も出てくる。だが、案外そんなおかしな
連中が社会を、そして時代を変えてきた。クレージーな夢を叶えるということは
そういうことかもしれない。そんな気がした。 

世の中偉大なる何者かによって、導かれている!
すべてに深い意味が!!
どなたが言った言葉か走りませんが、こんな言葉を思い出しました。
その意味を考え「謙虚」に生きていくことが、
「クレージー」を「クレージーだけ」にしない原動力なのかもしれません。
そんな人が、「クレージー」と言われる「夢」を叶えるのかもしれませんね!
「クレージー」というのは、きっと、他人です。
自分を信じて「夢を叶え」ましょう!!
がんばれ!!日中健児!!
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