魂の編集長 水谷謹人
喜劇俳優やお笑い芸人のことをコメディアンというが、それは男性のことで、女性はコメディエンヌというそうだ。
エイミー・シューマーはアメリカの、ぽっちゃり系コメディエンヌである。映画『アイ・ フィール・プリティ』では太めの体型にコンプレックスを抱くOL「レネー」を演じている。
レネーは大手化粧品会社の社員だが、彼女のオフィスはニューヨーク・五番街の本社ビルではなく、別のビルの地下にある。
彼女は本社に行くのが苦手だった。そこにはスタイル抜群の美女ばかりいるからだ。
ある日、書類を届けに本社に行かなければならなくなった。受付にはハリウッド女優並みの女性がいた。話をして臨時の派遣と知り、驚く。現在「受付係募集中」なのだという。
次の日、レネーはフィットネスクラブのエアロバイクを漕ぎ過ぎて転落し、頭を強打して気を失う。意識が戻ると自分の手足が細くなっていることに驚く。鏡を見たらそこに絶世の美女が映っている。プロポーションも理想の体型だ。「夢が叶った」と有頂天になる。
しかし、そう見えるのは自分だけ。周囲の人の目にはいつもと変わらないレネーが映る。
そうとも知らないレネーは自信過剰になり、早速、本社受付係の面接を受けに行く。そして自信満々に言う。「私はこの受付係を、将来モデルとして羽ばたく踏み台と考えているわけではありません。毎日このオフィスにやってくる人たちに、私が抱いているこの高揚感を与えたいのです」と。
面接官の一人は「どの口が言うてんの?」という顔をしているが、社長は彼女のたぐいまれな高い自尊心に感動し、採用する。
とにかく、やることなすことレネーの言動は自信に満ち溢れている。最初はドン引きしていた周囲の人たちも、次第に彼女の容姿ではなく、人間的な魅力に引き込まれていく。
終盤、彼女は再び頭を強打して気を失う。意識が戻ると鏡には以前の太ったレネーが映っている。「魔法がとけた」と絶望し、またコンプレックスだらけの自分に戻る。
ある時、大勢の前でプレゼンテーションをする機会があった。レネーは自分をさらけ出すことにした。2枚の写真をスクリーンに映し出し、「こっちが魔法にかかっていた時の私で、こっちが本当の私」と言うが、会場は「どっちも同じじゃん」と反応する。レネーがもう一度よく見てみると確かに同じだった。
「魔法ではなかった」「ただの思い込みだった」と気づくレネー。そしてこう語り出す。
「子どもの頃、みんな自信に満ちていた。太っていても、パンツ丸出しでも気にしなかった。どこで自信をなくしたの? いつ自分に疑問を持ち始めたの? 自分で自分を素晴らしいと思える強さを持ってもいいんじゃないの? 子どもの頃の自信を忘れないで! だって私は私なのよ」
会場は拍手喝采となった。みんな何かしら自分にコンプレックスを持っていたのだ。
自分のことを「すごい」「できる」と思っている人もいれば、「何をやってもだめ」「イケてない」と思っている人もいる。どちらも間違いではない。その人の思い込みだから。
最近、脳科学者マックス・ロックウェルさんの新刊『アルファ波~脳の仕組みを使って人生を変える』を読んで驚いた。「『自分はこういう性格』と思っていることの多くはただの思い込みにすぎない」というのである。
そもそも「性格」とは、幼少期に周囲の人たち、特に親の言葉や態度の影響を、無防備に何の疑いもなく受け入れて出来上がった「思考パターン」と「行動パターン」なのだそうだ。
例えば、スマホに最初から入っているアプリと、後からインストールするアプリがあるように、最初から入っているアプリが「個性」だとすると、「性格」は自分が知らないうちにインストールされたアプリのようなもの。やがてパターン化された思考と行動で人生がつくられていく。
「しかしその大半は思い込み。だから性格は変えられます。要らないアプリは消し、『なりたい自分』というアプリをインストールすればいいんです」とマックスさんは言う。
学び続けることだ。人間の脳には、学んで気づいたことを上書きし、保存する機能や仕組みがある。何歳になっても学び続けて、素敵な思い込みを更新していこう。
人間は「思い込み」で出来上がっているのかもしれません。
だからこそ、「プラス思考」「成功体験」などが良いのかもしれません。
どうせ考えるのであれば、前向きに!!
今、こんな時期ですが「この時期があったからこそ明るい未来が!!」
という生活をしたいものです!!
がんばろう!!日本!!
がんばれ!!日中健児!!