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2018/12/17

12月17日(月)「きょうよう」「きょういく」「きょうかく」

Tweet ThisSend to Facebook | by 日進中学校管理者
「みやざき中央新聞より」
28年間、毎週毎週社説を書いてきた。
書き終えると、すぐに翌週のネタを探し始めた。
トータルで1300本くらい書いただろうか。
しかし、上には上がいた。
松下政経塾・元塾頭の上甲晃(じょうこう・あきら)さんは、日々の所感を綴った
「デイリーメッセージ」をこの27年間、1日も欠かさず配信してきた。
先月、それがついに1万号に到達し、大阪で祝賀会が開かれた。
上甲さんが松下住設機器(株)から松下政経塾への異動を命じられたのは40歳の時だった。
その塾は、「経営の神様」といわれた松下幸之助氏が、財界引退後に
「日本の新しいリーダーを育てたい」と、私財を投じて創設したものだったが、
開塾から1年半が経って、ちょっとした問題を抱えていた。

塾生は皆、選りすぐりのエリートだった。
その強い個性故に、塾の運営・管理は一筋縄ではいかず、職員に対する塾生の反発が
渦巻いていた。塾側は改革を余儀なくされ、その一環として電子レンジの営業で
乗りに乗っていた上甲さんに「教務部長」の辞令が下りたのだ。
昭和40年に松下電器産業(株)に入社した上甲さんは、本社報道部に配属され、
社内報で腕を振るっていたこともあり、幸之助氏にも名前が知られていた。

その後、異動になった電子レンジ事業部では、ド素人の営業職でどん底を経験したものの、
3年後には奇跡的な飛躍を成し遂げ、全国トップレベルの営業成績を上げていた。
ド素人から這い上がり、やっと一人前の営業マンになったばかりだった。
もうあの時の苦しみを味わいたくない。
上甲さんは「日本のリーダーを育てる教育の世界に来い!」という、
天下の松下幸之助からの誘いを拒んだ。
1か月ほど逃げ回った。
しかし、いつまでも逃げ切れないことが分かり、幸之助氏に手紙を書いた。
「やっと営業というものが分かり始めてきました。引き続き、営業マンとして松下精神に
立った営業の真髄を極めさせてください」と、辞令拒否の許しを請うた。

手紙を読んだ幸之助氏が何と言ったか。
こうつぶやいたそうだ。
「面白い人やな。こういう人がええな」。
発想が何枚も上だった。
上甲さんは腹をくくった。

そんな上甲さんが、後に「松下政経塾は、私の天職です」と言うようになったのは、
そこで国の未来を憂う幸之助氏の「止むに止まれぬ思い」を知ったからだろう。
詳細は上甲さんの新刊『松下幸之助に学んだ人生で大事なこと』(致知出版社)に譲る
として、その中にこんな話がある。

肢体不自由な子どもたちの施設「ねむの木学園」の園長、宮城まり子さんは、
松下政経塾の創設当時、役員の1人だった。
一度だけ塾に来られたことがあった。
塾の食堂で食事をされた宮城さんの言葉がすごかった。

「日本の指導者を育てる塾で、プラスティックの食器を使っているのね。
こんなことでは、この塾から大した人は出てこない気がするわ」
「ねむの木学園の子どもたちは、お茶碗ひとつ持つのもままなりません。
それでも食器はすべて落としたら割れる陶器を使っています。
落としたら割れることを知っているから、落とさないようにしっかり持とうと努力します。
これが教育です
後にこの話を人づてに聞いた上甲さんの目からウロコが落ちた。
「経済の原則からいえば、落としても割れない食器を使おうと考える。
しかし教育は、経済と根本的に違うのだ」と思った。

50歳の頃から書き始めた「デイリーメッセージ」は、当初、塾生向けだったが、退職後は
一般向けに有料で配信されている。
上甲さんは毎朝、起きた時からその日のネタを探し始めるそうだ。
以前、いくつになっても情熱的に生きられるコツは
「きょうよう」と「きょういく」という話を聞いたことがある。
それに「きょうかく」も加えよう。
すなわち「今日用がある」「今日行くところがある」「今日書くことがある」である。

私も、今のうちは「今日用があります」
また、「今日行くところがあります」
そして、「今日書くことがあります」
私も、毎日、「つぶやいて」います。
私も、「教育」は「流行」「効率」ではないと考えています。
毎日毎日、いろいろなことが起き、デコボコしながら回り道をし、そこから「何を学ぶのか?」
毎日毎日が、その日一日そのものが「教育」です。
だから、毎日毎日書くことが「勉強」になり、「教育」に繋がっていく!?のでは・・・・・。
みなさんにとって、「いくつになっても情熱的に生きられる方法は?」
よろしく!!日中健児!!
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