【スタンド・バイ・ミー,ぼくの守る星】
うれしいような、せつないような、ほろ苦い「旅立ち」をテーマに感動作を2冊ご紹介します。
『ぼくの守る星』
読んだらこころがじんわりと温かくなること必須のさわやかな感動作です。
中学生の夏目翔は、読み書き困難症という脳の特徴を抱えています。「トム・クルーズ」をトムとクールさん、「かきたま汁」をかきまた汁。といった具合。悩みは深いのです。
そんな翔を、「笑いの神が宿るすごい才能の持ち主」と信じて疑わないクラスメイトの山上。
「また、ウケちゃったね。夏目くん」と翔につっこみをいれる日々。翔とコンビを組んで芸人を目指したいと本気で考えています。そんな山上もまた家庭の悩みを抱えていて・・・・。
気になるクラスメイトの中島まほり。親友の山上。母親。父親。
翔と翔をとりまく人々のそれぞれの目線で語られる-形で話は構成されています。
卒業を間近に、読み書き困難症に理解の深いイギリスに行こうという母。翔は進路をどうするのか。
「ぼくの守る星」をみつけた翔は自分なりの答えをみつけます。
『スタンド・バイ・ミー』
コンピュター・グラッフィク映画「ドラえもん」バージョンではありません。
実写映画化もされ、当時大ヒットした名作です。
ベン・E・キングの歌う主題歌「スタンド・バイ・ミー」を聞いたことのある人もいるかもしれません。
1960年代のアメリカ。4人の少年が旅にでるお話です。
大人になって作家になった仲間の一人のゴーディーが、その旅の思い出を振り返って書くという形をとった著者の半自伝的作品。
心に大切にしまっている少年時代の純粋な友情と涙の思い出。
大人になっていくにしたがってそれと決別しなくてはならない、誰もが経験する思いを見事に書く青春小説の最高峰です。